熊本県政史上最長となる4期16年の蒲島県政が、4月15日で最後の日を迎えた。
蒲島知事は退任のあいさつで「多くの逆境に見舞われたがそれ以上に“夢“にあふれた16年間だった」と振り返えった。

4期16年最後の1日「県民に感謝」

任期最後の日を迎えた蒲島知事は4月15日朝に公舎の前で心境を語った。

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(朝目覚めて、4期16年を振り返ることはあったのでは?)
蒲島郁夫熊本県知事:毎日3時に起きて、いつも考える。きょうは4期16年、熊本県のために役立ったのかなと。県民の方々、支えてくれたことを感謝している。(報道陣の)皆さんとお会いするのは、きょうで最後かな、ありがとうございます。では、行きます

「夢は逆境を乗り越える未来への原動力」

そして午前10時、幹部職員の前で退任のあいさつを行った蒲島知事は「われながら多くの逆境に見舞われた蒲島県政だったと思います。しかしながら、それ以上に“夢”にあふれた16年間でした」と話した。

4期16年を振り返った蒲島知事は、球磨川の支流、川辺川へのダム建設を巡り、1期目に下した「白紙撤回」を、4期目「建設容認」へと方針転換したことについて「五木村と相良村を2度も翻弄してしまったことは本当に申し訳ない」と述べた。

また、県庁職員に対し「リスクを恐れず挑戦する皆さんは間違いなく日本一の県職員。これからもチャレンジを続けてほしい」とエールを送った。

蒲島郁夫熊本県知事:“夢”は逆境を乗り越え、その先の未来へと一歩を踏み出す原動力。熊本の未来には、これからさらに果てしなく大きな“夢”が広がっている

蒲島知事はこう話し、「木村新知事の下、この熊本のよき流れを夢を持って、さらに強く、大きくし、熊本の新しい時代をつくってほしい」と述べた。

迷わず「4期16年は私の最高の時間」

退任式を終え、知事として最後の記者会見に臨んだ蒲島知事は、記者から「4期16年間は人生の中でどのような時間だったか?」と問われると迷わず、「私は最高の時間だったと思う。東大の教授までのときは自分のために生きてきた。ただ、知事になったときから公僕としての自分を探しだして“県民に仕えること”それが一番大きな喜びになった。もし知事になっていなければそういう心境にはならなかったのかもしれない。私の人生にとって最高に幸せな時間だったと思う」と話した。

また、今後は知事就任前まで教授を務めていた東京大学に戻り、先端科学技術研究センターの研究職である「フェロー」に就任。具体的な内容は未定としながらも「日本の農業や地方自治について考えるような会を設けたり、熊本の半導体集積・発展のために東京から手伝ったりしていきたい」と話した。

別れ惜しむくまモン 最後は車追いかけ

そして、午後5時過ぎに県庁で開かれた蒲島知事の見送り式ではくまモンが駆け付け、蒲島知事と約20秒の長いハグを行った。知事にとって唯一無二の相棒との別れを惜んだ。

田嶋副知事が感謝とねぎらいの言葉を送ったあと、見送りに集まった職員有志に蒲島知事が知事として最後のメッセージを送った。

蒲島郁夫熊本県知事:心から安心して去ることができる、知事としてうれしいし感謝を申し上げたい

そして蒲島知事は、集まった職員に拍手で送られながら、県庁を後にした。

最後まで知事と手をつないでいたくまモンは、名残惜しそうに車を追いかけた。

(テレビ熊本)

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