漫画家の鳥山明さんが、3月1日に急性硬膜下血腫により亡くなっていたことがわかった。
68歳だった。

街の声は…「巨匠がいなくなった」「日本の損失」

「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」など、世界的に人気の作品を生み出した鳥山さん。
8日正午に発表された突然の訃報に、大きな衝撃が広がっている。

突然のご報告になりますが、漫画家・鳥山明は2024年3月1日、急逝硬膜下血腫により永眠しました。68歳でした。
熱心に取り掛かっていた仕事もたくさんあり、まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません。
(「ドラゴンボール」公式ウェブサイトより)

鳥山さんは1978年、「週刊少年ジャンプ」に掲載された読み切り作品「ワンダーアイランド」で漫画家デビュー。
それから2年後に連載がスタートしたのが「Dr.スランプ」だ。

この記事の画像(6枚)

アンドロイドの則巻アラレがペンギン村で繰り広げるハチャメチャなストーリーが人気を博し、連載開始から4年後には「Dr.スランプ アラレちゃん」としてアニメ化。
最高視聴率36.9%を記録するなど、日本中に大ブームを巻き起こした。

そして「Dr.スランプ」の連載を得た1984年に発表したのが、「ドラゴンボール」。
主人公の孫悟空が、さまざまな仲間やライバルと出会い、成長していくこの作品は、漫画・アニメともに世界中で大ヒット。
週刊少年ジャンプでの連載は10年半に及び、単行本の累計発行部数は2億6000万部を超えている。

このほかにも、大人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のキャラクターデザインを手がけるなどした鳥山さん。
突然の別れに、多くのファンから悲しみの声が聞かれた。

20代女性:
えー!全然知らなかった。家にアラレちゃんのフィギュアあるし。

50代女性:
ちょっとショック…アラレちゃんはめっちゃ好きやったんですよ。ちょっとショック、めっちゃショック…。

18歳男性:
やっぱり悲しいですね、偉大な作家なので。結構いろんな人に知られていると思うので。

40代女性:
え!?えー!本当に…。身近にあった、昔から。だから心の整理がつかないというか、すごく驚いてるのと、ショックですね。

男性A:
率直に悲しい…巨匠がいなくなってしまった。

男性B:
日本の損失。漫画家っていえば、みんな知ってると思うので。

男性C:
漫画家の人たちも「天才」っていうぐらいの人だったので、確かにすごい損失。

鳥山さんが亡くなった「急性硬膜下血腫」とは、頭蓋骨の下にある脳と脊髄膜という膜と脳の間で出血し、血液がたまることによって、脳を強く圧迫してしまうというもの。

主に外傷が原因で起きることが多く、死亡率は約6~7割。
特に高齢者に多いというが、どの世代もなり得る可能性があり、早い処置が必要だという。

DB声優・ワンピース作者…関係者からも悲しみの声

鳥山さんの代表作「ドラゴンボール」の主人公・孫悟空や、息子の孫悟飯などの声を務めている、声優の野沢雅子さんは、「あまりにも大きなショックを受けているため、今はコメントできない状況」だという。

同じく「ドラゴンボール」でピッコロの声を務める古川登志夫さんはこうコメントした。

「マネージャーさんからもたらされた鳥山明先生の訃報……『マコさん(注・野沢雅子さんさん)に次いで今登志夫さんにお報せするのですが……」真っ先に頭に浮かんだのは『マコさんはどんなお気持ちだったろうか?!』ということだった。ドラゴンボールという作品は、マコさんのライフワーク、悟空は分身ではないか。僕にとってのピッコロ以上ではないか!
………公開直前の【ドラゴンボール超スーパーヒーロー】試写会でお会いしたのが最後となりました。謹んで哀悼の意を表します。」

また、ヤムチャの声を務める古谷徹さんもこうコメントした。

「鳥山明先生がご逝去されたとの事、先生には『ドラゴンボール』『ドラゴンクエスト~アベル伝説』『Dr.スランプ アラレちゃん』などのヒット作品で忘れられないキャラクターを演じさせて頂き、心から感謝しております。新作を楽しみにしていた矢先とても残念です。謹んでご冥福をお祈りいたします。」

鳥山さんがキャラクターデザインを務めた「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である堀井雄二さんも、自身のSNSでコメント。

「本当に、あまりに突然な鳥山さんの訃報で、まだ信じられない気持ちでいっぱいです。
登場人物のキャラクターデザイン、モンスターデザイン、とても数えきれないほどの魅力的なキャラを描いていただきました。
ドラゴンクエストの歴史は、鳥山さんのキャラデザインとともにありました。亡くなってしまうなんて…これ以上、なんて言えばいいのか言葉になりません。本当に、本当に、残念です。」

1984年から95年まで続いた「ドラゴンボール」の連載だが、その2年後の1997年に始まったのが「ワンピース」。作者の尾田栄一郎さんも、こうコメントしている。

「あまりに早すぎます。空いた穴があまりに大きすぎます。もう二度と会えないと思うと、悲しみが押し寄せてきます。
子供の頃から憧れすぎていて初めて名前呼んで貰えた日の事も覚えています。我々に「友達」という言葉を使ってくれた日の帰り道、岸本さん(注・「NARUTO」作者)と盛大にはしゃいだ日も懐かしいです。最後に交わした会話も覚えています。
漫画なんて読むとバカになるという時代からバトンを受け取り、大人も子供も漫画を読んで楽しむという時代を作った一人でもあり、漫画ってこんな事もできるんだ、世界に行けるんだ、という夢を見せてくれました。突き進むヒーローを見ているようでした。
漫画家に限らずあらゆる業界で活躍するクリエイター達の少年時代に、ドラゴンボール連載当時の興奮と感動が根付いているでしょう。その存在は、大樹です。
同じ舞台に立った僕ら世代の漫画家にとって、鳥山作品は近づく程により大きな存在と気づかされました。怖いくらいに。
でもまた、飄々としたご本人に会えるとただ嬉しい。僕らは血液レベルで鳥山先生が大好きだから。
鳥山先生の残された創造性豊かな世界に敬意と感謝を込めて、心よりご冥福をお祈りいたします。
天国が先生の想い描いた通りの愉快な世界でありますように。」

15年来の友人は…「すごく気飾らない、気さくなおじさん」

鳥山さんと15年以上の親交があったという、お笑い芸人の大川知英さんは、こう語る。

宮司愛海キャスター:
尾田栄一郎先生のコメントがありましたけれども、本当に幅広い方と友達というふうな、気さくな方だったんですか。

大川知英さん:
そうですね、すごく気飾らない、もう本当に一般のおじさんみたいな気さくな方でした。

宮司愛海キャスター:
大川さんは、今回のこの訃報はどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

大川知英さん:
本当に言葉がずっと出なかったですね。もううそであってほしいと本当に願いました。

宮司愛海キャスター:
鳥山さんのキャラクターに関するこだわりですとか、そういったお話は聞かれたことはありましたか。

大川知英さん:
そうですね、やっぱり何て言うんですかね、表情とか、キャラクターのかわいらしさとか、やっぱりそれを頭で描きながら考えるんだ、そこはちょっと重視してるなみたいなことを聞いたことあります。

宮司愛海キャスター:
日頃からいろいろなキャラクターを考えながら過ごされていたということですか。

大川知英さん:
そうですね。

宮司愛海キャスター:
鳥山先生は亡くなられる直前まで精力的に活動されていたようですね。

大川知英さん:
そうですね、ずっと「新しいやつを描こうと思うんだ」みたいなやり取りをさせてもらいましたし、僕もこれからの作品もすごく楽しみにしていたんですけど、すごい残念です。

宮司愛海キャスター:
体調に関しては何かお話をされていらっしゃったことはありましたか。

大川知英さん:
去年(2023年)の誕生日にメールをした時、「ちょっと頭の手術をするかもしれない」みたいなことを言っていました。

宮司愛海キャスター:
もともと病気をお持ちだったということでしょうか。

大川知英さん:
そうですね。でも、そんなに急にとは思わなかったです。

この秋には、完全新作のアニメ「ドラゴンボール GAIMA(ダイマ)」の公開が決まっていた鳥山さん。
集英社は「お別れの会」については未定としている。
(「イット!」3月8日放送分より)