25日に行われた大阪大学の入学試験中に、試験官たちが談笑していたとして、受験生から抗議の声が殺到している。大学側は業務上必要な会話だったと主張しており、双方の主張は大きく食い違っている。

試験官が談笑?受験生「うるさかった」「謝って済む問題じゃない」

試験終了後、受験会場は騒然としていた。

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「うるさかったよね」
「俺もだいぶ正直うっとうしかったよ」
「耳ふさぎながらやらなあかんかったしな」

これは、大学の入学試験後に録音された会話だ。受験生たちは、“うるさくて試験に集中できなかった”と訴える。

抗議の声が上がったのは、大阪府豊中市で25日に行われた国立・大阪大学法学部の入学試験。最終科目の「国語」の試験中に、4~5人の試験官が、“5分ほど談笑していた”というのだ。

試験終了後に録音された音声には、抗議に向かった受験生たちと試験官とのやりとりが記録されていた。

大学側の職員:
打ち合わせを口頭でやりまして、周辺の受験生の人にうるさい思いをさせたのは、本当に申し訳ないと思っています。

受験生:
僕チラチラ前を見てたんですけど、耳ふさぎながら。でも(声が)やまないなって。でもやっぱりやり直しがきかないかもしれないと考えたら(試験を)そのまま続けるしかないじゃないですか。なので気づいてほしかった。 

受験生:
謝って済む問題じゃないと思います。

きっかけは試験中、問題の訂正があり、受験生から質問が上がったことだった。対応を話し合っていた試験官から、大きな笑い声や、「ばかばかしい」と話す声が聞こえたため、その場で受験生の1人が「何の話ですか?」などと抗議。すると試験官は「試験に関係ないことなので気にしなくていいです」などと回答したという。

「人生がかかった大切な試験」大学側の対応は…

しかしその“5分”は受験生にとって人生を懸けたものだった。

(試験後に録音された会話)
受験生:
その5分で10点も20点も上がる人がいるんですよ。1年、3年頑張ってきた人に、それはかわいそうだし、他の階(会場)でやってた受験生と公正な判断というか、措置をとることを僕は希望します。

抗議した受験生の1人は「人生がかかった大切な試験だったから本当に残念だ」と話す。大学側には、試験として成り立っていないとして、“謝罪と再試験の実施”を求めている。

(試験後に録音された会話)
受験生:

ここで言っても解決しないことは分ってるから。

大学側の職員:
対応は精査したうえで…。

受験生:
1年間ずっとこのためにがんばってきたんですけど、こんなことになってがっかりです。これだけ告発した人がいたんですから、もみ消すわけないですよね?なんも声明とか発表とかないまま終わらないですよね?

一方、大阪大学はFNNの取材に対し「会場にいた試験官など7人全員に聞き取りをしたが、業務上必要な会話で、大声を出したり笑ったりはしていない」と説明。「試験に大きな影響を及ぼしていない」として再試験は行わない方針で、双方の主張は大きく食い違っている。
(「イット!」2月28日放送より)