世界卓球選手権団体戦の決勝で卓球王国・中国と歴史的激闘を繰り広げた女子代表が26日帰国し、午後4時、会見に臨んだ。

準決勝からはリザーブに回った伊藤美誠選手がベンチから的確なアドバイスで躍進を支え、その姿はSNSで「伊藤監督」と評され話題となっていた。

“最強”中国を追いつめた卓球日本女子代表が帰国会見

世界選手権決勝で中国と戦った3選手は次のように語った。

張本美和選手(15)
張本美和選手(15)
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張本美和選手(15):
この大舞台で戦えたことは すごく経験になりましたし、すごく楽しかったです。

早田ひな選手(23)
早田ひな選手(23)

早田ひな選手(23):
パリオリンピックに向けて、あの1勝ができるように、半年間頑張っていきます。

平野美宇選手(23)
平野美宇選手(23)

平野美宇選手(23):
今まで出場した中で一番手応えもありつつ、悔しさも感じた世界卓球だったなというふうに思います。

そして今回、 準決勝以降はリザーブに回った伊藤美誠選手はベンチで得たものをこう話した。

伊藤美誠選手(23)
伊藤美誠選手(23)

伊藤美誠選手(23):
今回、ベンチの方でたくさんの選手の試合を見る機会があって、とても本当に勉強になりましたし、自分自身も負けじと頑張ろうと思えるようになりました。

決勝の相手は、世界ランカー1位から3位を擁する“最強”中国。
対する日本は、早田選手(世界ランキング5位)、平野選手(世界ランキング18位)、そして最年少15歳の張本選手(世界ランキング16位)の“パリオリンピックトリオ”が迎え撃った。

王国・中国から、早田・平野両選手が勝ち星を上げ、2勝2敗で迎えた第5試合。
歴史的勝利への期待を託されたのは、本大会女子最年少の15歳、張本選手。
対する相手は、東京オリンピックの金メダリスト・陳夢選手(30)。

それでも、

(解説)「ナイスボール! よく足が動いてますね」
(実況)「初めての世界卓球です。初めての決勝です。初めて世界一を決める舞台です。そんな中で15歳がオリンピックの金メダリストを押し込んでいます」

5連続得点を決めるなど、大一番で堂々と渡り合い、第1ゲームを先取した。

SNSで「伊藤美誠監督」と話題に

その躍進を支えていたのは、東京オリンピックで金・銀・銅と3つのメダルに輝いた伊藤美誠選手だった。

伊藤美誠選手:
レシーブとかもできてるから問題ない。今の感じでいい。崩れないということが大事だから。

強敵に立ち向かう15歳を言葉で後押し。
そして第3ゲーム、逆転を許した時点で日本側がタイムアウトを取ると…、

伊藤美誠選手:
いい感じだよ! だってサーブ2本取ってるんだよ、さっき。
何がやりたいか、何がやりやすいかとかでもいいし。

張本選手を笑顔で励まし、その心を奮い立たせていた。

パリオリンピックの出場権を逃した伊藤選手。
いすに座ったまま冷静にプレーを見守り、チームに的確なアドバイスを送る頼もしい姿は、SNSで「伊藤美誠監督」と話題になった。

歴史的大撃戦の末、世界一に最も肉迫した銀メダルとなった日本。

会見では、「伊藤監督」の存在について質問が飛んだ。

試合中に心強かったと張本選手
試合中に心強かったと張本選手

張本美和選手:
普段だと自分では考えられないことだったり、新たな視線からたくさんのアドバイスをいただいて、本当に試合中に心強かったです。

という感謝の言葉に対し、

最終的には選手に任せていたと伊藤選手
最終的には選手に任せていたと伊藤選手

伊藤美誠選手:
アドバイスというよりかは、選手の考えを広げるというか、選択肢を第三者目線で伝えるというのを基本にやっていたので、「これでもいいんじゃない?」というふうに言いますけど、最終的に戦うのは選手なので、あとは選手に任せて、「やりたいことをやってきな」ということを最後にはちゃんと伝えるようにしていました。

そして、パリオリンピックにリザーブとして加わるかどうかについては、 次のような考えを明かした。

将来を背負っていく選手が五輪リザーブを経験すべきと伊藤選手
将来を背負っていく選手が五輪リザーブを経験すべきと伊藤選手

伊藤美誠選手:
やっぱり自分自身、金・銀・銅でオリンピックを経験しているので、これからやっぱりオリンピックに出場したいという選手だったり、オリンピックで金メダルをとりたいという選手が、そういうリザーブとなって帯同するべきかなと私自身は思っていますし、今後将来を背負っていく選手が経験すべきなんじゃないかなというふうに私自身は思っています。
(「イット!」2月26日放送より)