鹿児島市でベビーカーが風にあおられ、赤ちゃんごと池に転落する事故があった。しかし居合わせた人が協力して救出、赤ちゃんは無事だった。恩人たちにお礼を言いたいと母親がSNSで呼びかけたところ、メッセージは瞬く間に拡散。母親は恩人との再会を果たした。

池に転落…周囲の協力で赤ちゃん救出

2024年2月4日、旧ツイッターのXにこんな投稿がアップされた。

鹿児島のマリンポートで、赤ちゃんがベビーカーごと池に転落しました。その時助けてくださった看護師さん、暖かい上着を貸してくださった男性の方を探しています。

投稿したのは、鹿児島市在住の30代の女性。

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鹿児島市南部にある人工島・マリンポートかごしまは国内外のクルーズ船が寄港し、公園としても開放されていて休日はにぎわう。

2024年2月4日、そのマリンポート近くに自衛隊の大型ヘリコプターが着陸した。この日女性の家族5人はマリンポートに散歩に来ていた。

女性はその時のことを「夫もヘリコプターを撮りたかったのか、手を離して、私が振り返ったときには、ベビーカーが風で動いて、追いかけたが間に合わず…」と振り返った。

赤ちゃんを救出した人が撮影したヘリコプター着陸時の動画から、強風で周囲の木が揺れているのが分かる。赤ちゃんを乗せたベビーカーも風で動き出し、池に転落してしまったのだ。

突然の出来事だった。「パニックで泣いてしまっていた」と話す母親。しかしその場に居合わせた人たちが協力して赤ちゃんを救出した。

「温めたほうがいいよ」と声をかけてくれた人。上着を差し出してくるませてくれた人。看護師の女性も手を貸してくれたという。そのかいがあって赤ちゃんにけがはなかった。

恩人と再会“SNSがつないだ縁”

母親は「上着を返したい、どうしてもお礼が言いたい」と、その日の出来事をXに投稿した。するとメッセージは瞬く間に拡散し、実に5,000万回以上表示された。

SNSきっかけに上着を貸してくれた男性・救助を手伝ってくれた男性との再会果たす
SNSきっかけに上着を貸してくれた男性・救助を手伝ってくれた男性との再会果たす

4日後の2月8日。Xの投稿をきっかけに、赤ちゃんを温める上着を貸してくれた男性と、救助を手伝ってくれた男性との再会が実現した。

男性に返すことができた上着
男性に返すことができた上着

「その節は本当にありがとうございました」とお礼を言う母親。「これ上着です、ありがとうございました」涙が止まらなかった。上着を貸した男性は「本当に助かっただけでよかったです」と声をかけた。

投稿の反響は大きかった。共感だけでなく、心ない言葉も散見されたが、赤ちゃんを助けた男性は、一人の親としてこの投稿が拡散することで、個人個人の事故を防ぐための意識が高まることを願っていた。

救助を手伝った男性:
全国でも、僕たちでもそういう似たようなケースにならないためにも拡散されてよかったと思う

上着を貸した男性:
たまたま今回こちらの夫婦の方がこういう目に遭ってしまっただけ。本当に起きてしまったことなので

男性に返された上着、実はクリーニング店の従業員も女性の投稿を見ていて、早く返せるようにとの厚意で翌日に仕上げてくれたという。そして看護師の女性とも連絡がついて、母親はお礼を言うことができた。

思いやりの心がそれぞれの身近にあることを、改めてSNSが教えてくれた。

(鹿児島テレビ)

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