熊本県内で増加する「電話で『お金』詐欺」、2023年1月から11月末までの被害総額が2億円を超えるなど事態は深刻化している。
被害者から金などを受け取る“受け子”として逮捕された、18歳の男性を取材した。
「ついてくるだけで報酬渡す」と言われ…
「友達に『ついてくるだけでいい』と言われ、『それだけで報酬の半分を渡すから』と言われて、軽はずみな感じでやってしまった」と話すのは、錦町にある少年院・人吉農芸学院で矯正教育を受ける18歳の男性だ。
この記事の画像(6枚)男性は、「電話で『お金』詐欺」事件で被害者から金などを受け取る“受け子”として逮捕された。薬物を購入するための借金が膨らむ中、友人から誘われたのがきっかけだった。
元“受け子”の男性(18):
「(報酬を)15万ずつで分けよう」みたいな。金を返すことしか頭になくて、考えることもなく衝動的に動いていた…
薬物事件で逮捕後、“受け子”で再逮捕
男性によると、“受け子”への指示はスマートフォンのメッセージアプリで行われていたという。
元“受け子”の男性(18):
(十数人の)受け子のグループがあったみたいで、(指示役から)人の家の住所が送られてきて、「何々業者を偽ってお金を取ってきてください」みたいなのがポンポン出されて、グループにいる人が「じゃあ私がやります」みたいな感じで案件を取っていって、最後に余ったやつに自分たちが行ったみたいな感じ
男性は薬物事件で逮捕されたあと“受け子”として再逮捕され、約11カ月、少年院で過ごす中で自分の罪と向き合ってきた。
元“受け子”の男性(18):
あらためて自分のやったことの重大さに気付いた。(被害者を)自分たちが絶望に落としてしまった。心から悔やまれるというか、何をやっているんだと思った。家族にも涙を流させてしまったので、次は笑顔にさせられるように自分が頑張って、安心してもらえるようになりたい
男性は今も後悔の念に駆られている。熊本県警によると、2023年1月から11月末時点で、県内での「電話で『お金』詐欺」の被害件数は101件と、2022年同時期に比べ9件増加。被害総額も2億4,000万円余りと巨額になっている(2022年同時期より約5,300万円減)。
(テレビ熊本)