2023年の秋はクマが大量出没する恐れが高い。背景にはクマの主食ドングリの不作があり、福井県は着果状況が大量出没となった2020年と酷似していると注意を呼び掛ける。
2023年秋は「クマ大量出没」の可能性
秋はクマが冬眠に備える季節。食べ物を求めて活発に活動するため、人里に出没するクマが増加する。特に山間部の住民からは心配の声が聞かれた。
この記事の画像(6枚)住民:
山に食べ物がないと里に下りてくる。出たら怖い
住民:
(山に)マツタケも採りに行けない、怖くて
福井県は山になるドングリなどの量を調べたところ、2023年は「不良」だとしている。
県自然環境課・國永知裕企画主査:
ことし(2023年)の秋はクマの大量出没の可能性が高い。クマの秋の主要な餌となるドングリ類の調査をしているが、ことしの餌の量は作柄が不良と観測されているので、秋に餌を求めたクマが人里に大量に出没する可能性がある
過去6年間のデータを見ると、木に実がつかない、いわゆる「裏年」になるとクマの出没は顕著に増える。2023年は最もクマが出没した2020年の着果状況とほぼ同じ。この年の出没件数は1,200件を超えた。
県自然環境課・國永知裕企画主査:
直近だと令和元年、2年に大量出没が起こっているが、その年は9月中下旬から出没件数が徐々に増加する傾向があったので、(2023年も)そろそろ出没の時期に差し掛かっている
餌を求めて市街地にも…
さらに里山ではなく、市街地でもクマが出没する恐れが高いという。
県自然環境課・國永知裕企画主査:
日頃はクマが多く生息していない地域でも、“大量出没”年は餌を求めたクマが、通常では出てこないような市街地にも出没する傾向があるので、どこでもクマが出る可能性があると考えていただきたい
2020年は坂井市の大型児童館エンゼルランド付近や、敦賀市の新幹線工事現場などにも出没した。
「福井クマ情報」で出没状況の確認を
クマが住宅付近に寄り付かないよう、近くにある柿や栗の実などを早めに収穫することが被害の防止につながる。また、生ごみを野外に放置しないよう意識する。木の実がなる樹木の伐採も効果的で、その費用を補助する自治体もある。
加えて、県は事前の情報収集が重要だと呼び掛ける。
県自然環境課・國永知裕企画主査:
「福井クマ情報」といって、スマホやPCでクマの出没状況を確認できるサイトを用意している。ピンポイントで出没場所が分かるので、住んでいる地域や行き先の状況を確認していただけると気持ちの準備ができる
(福井テレビ)