トラブルを未然に防ぐ3つのポイント
――サッシから雨水があふれると、どんな影響が出る?
室内側に雨水があふれると、床や内装等が部分的に濡れてしまいます。その状態が続くと、住宅内装の汚損(変色やカビの発生など)や構造材の腐朽をまねき、建物の耐久性を損なうおそれがあります。

――あふれたとき応急措置としてできることは?
あふれだしが起きた場合は、応急策としてサッシの下枠と戸の間にタオルや布を置いて、雨水が継続してサッシ枠から内側の室内へ浸水しないよう対応ください。

――サッシ周りのトラブルを防ぐポイントは?
3つあります。1つ目は戸を枠へしっかり閉めてクレセントとハンドルを施錠することです。家には多くの窓があるので、戸を閉めたつもりでも、クレセントだけが施錠されていない、最後までしっかり掛かっていないことがあります。
2つめは、サッシ下枠のレール部分に堆積したほこりや砂を取り除く清掃です。清掃は、掃除機のノズルでほこりを吸い取るか、割りばしなど細い棒状のものに布を巻いて取り除く方法があります。強い雨風の前に行うことをお勧めします。

――3つめのポイントは?
3つめは、窓用シャッターの取り付けです。水密性能を持つサッシとシャッターを併用すると、シャッターを閉めることで、外からの雨水浸入をさらに抑制できます。強風による飛来物から窓ガラスを守ることもできますので、暴風雨や台風への対策としては特にお勧めします。
雨風が落ち着いたらサッシ周りの確認を
――強い雨風の後、サッシ周りで確認してほしいところは?
室内側のサッシ周りの壁で浸潤している、ぬれている場所がないか確認してください。サッシ上部の壁がぬれているなら、サッシ以外の場所から漏水している可能性があります。壁が濡れていても、時間が経過すると乾いてしまうので、ぬれた場所や状況を覚えておくと、補修する際に原因を確認するための有用な情報として役立ちます。早めに確認してほしいです。

――このほか、注意点してほしいことはある?
台風など強い雨風のあとは、窓やドアの開閉がしっかりできるか、ガラスにひび割れがないかなどを確認ください。もし開閉がしっかりできない、ガラスがひび割れしていた場合は補修や交換が必要ですので、建築会社や工務店、管理会社へご相談ください。
強い雨風のとき、サッシの下枠に水がたまるのは構造上の仕様だが、施錠がしっかりできない、汚れがたまっている状態だと、室内側に水があふれてしまうことがあるようだ。よくぬれる場所があるなら、状態を確認するといいかもしれない。