東京・杉並区で9月30日夜、突然崩れた2階建ての住宅。

この記事の画像(13枚)

倒壊から一夜明け、がれきが大量に山積した現場には作業をする多くの消防隊員の姿が…。
閑静な住宅街でいったい何があったのでしょうか?
『サン!シャイン』の取材と、入手した崩壊直後の映像などから現場の詳しい様子が見えてきました。

住宅が突然倒壊…何が

倒壊したのは、30日午後7時過ぎ。杉並区堀ノ内にある木造2階建ての住宅です。

110番通報「一戸建てが崩れてきている」

倒壊した住宅には、50代の父親と20代の息子2人が住んでいて、息子は外出中。
父親は崩れる直前に外に逃げ、無事だったということです。

倒壊から50分後の映像を見ると、屋根などの部分が崩れ、向かいのマンションになだれ込んでしまっています。

倒壊から約2時間半後の映像を見ると…現場では依然、救急隊が捜索活動を行っていました。

救急隊「この音が聞こえたら声を出すか、音を出してください!」

けが人はいませんでしたが、目の前のマンションの住人は…。

がれきが流れ込んだマンションの住人:
(自分は)このマンションの上に住んでいて、通りがかったらこの(がれきがなだれ込んでいる)状態。
ここが崖になっていて、ここに建っていた建物が崩れて、私のマンションが2階ぐらいまで(被害が)及んでしまっている状況。

「ヒビが入っていて…」以前から異変も

近隣住民は、直前に異変を感じていました。

近隣住民:
音ですね。音がガシャガシャって音がして、のぞいたら崩れる前の家が傾いていて。
――まだ家は上に?
まだありました。傾いている家…やばいねって。
でも元々ちょっと亀裂が入っている家だったので。したらもう、スローモーションみたいにダダダッって崩れ落ちた。

また目の前のマンションの住人は、この住宅について、以前から危険を感じるような状態だったといいます。

がれきがなだれ込んだマンションの住人:
私が物心ついたころにあった家なので…。(築)30~40年以上はたっているのでは。
この家はすごく古くて擁壁が少し膨らんでヒビが入っているような状況ではあったんです。
なので、いつ崩れるか住人としては心配ではあった。(近隣住民が)区の方に報告等はしていたそうです。

倒壊した住宅の約半年前の様子
倒壊した住宅の約半年前の様子

グーグルストリートビューで確認できる約半年前の様子を見てみると…中央の茶色い屋根が崩壊した家ですが、やや傾いているようにも見えます。

なぜ30日夜になって突然崩壊したのでしょうか。

一夜明けた現場は

突然の住宅倒壊から一夜明けた10月1日午前8時過ぎごろの現場の様子を「サン!シャイン」田中良幸リポーターが伝えました。

田中良幸リポーター:
現場周辺には今も消防車両が止まっていて、不測の事態に備えている、物々しい雰囲気が続いています。
現場は丸ノ内線の方南町駅から300mほど西に離れたところで、とにかくマンションが多く建ち並んでいるような場所です。
横に立つマンションは2024年に建てられたばかりで、周辺ではマンションの建て替え工事が進んでいます。

現場までは細い道しかない
現場までは細い道しかない

一軒家が崩れた現場までは細い道しかないので大型の重機が入ることができません。30日夜から消防隊が手作業でまずは通路のがれきを撤去して、ようやく今は小型の重機が入っているような状況です。
けが人はいないということですが、明るくなってから改めて、逃げ遅れた人がいないかどうかも同時に確認作業を進めているということで、慎重な作業が今も続いています。

1日午前8時過ぎの現場 撤去と確認作業が進められている
1日午前8時過ぎの現場 撤去と確認作業が進められている

関係者によると、対面しているマンションの1階の部屋はベランダまでがれきが迫ったものの、部屋の中までは入ってきていないということです。
電気など生活への影響はありませんが、マンションの住人たちは二次被害の恐れもあるのできのう30日はそれぞれ別のところで一夜を明かしたということです。

このあたりはとにかく土地のアップダウンが激しい場所で、崩れた2階建て住宅は5mぐらいの擁壁の上にあり、下から見ると崖の上にあるような形になります。
現場を見る限り、家だけが倒壊したのではなく下の擁壁ごとくずれているように見える状況です。
警視庁は住宅が崩れた詳しい原因を調べています。

(「サン!シャイン」10月1日放送より)