千葉・鴨川市の山林でカメラが捉えたのは、山の斜面に散乱する伐採された大量の木。

作業をするショベルカーが小さく見えるほど、広範囲にわたり森林が切り開かれていました。

ここで今、進んでいるのが大規模な太陽光発電施設メガソーラーの開発計画です。

この映像が撮影されたのは、9月23日火曜日。

10月2日に番組が現地に行くと、離れた場所からでもはっきりと見えるほど伐採された木が山積みに。作業している様子が確認できました。

開発の許可を出した千葉県によると、開発区域は東京ドーム32個分にあたる約146ha。

36万5000本の樹木を伐採し、47万枚の太陽光パネルを設置する計画だといいます。

建設に反対する市民団体は2019年に開発の許可が出された後、千葉県が審査基準を改正したと指摘。
新しい基準で計画を見直すべきだと訴えます。

鴨川の山と川と海を守る会・勝又國江さん:
全ての計画は2019年時点の県の開発基準にのっとって計画されているので、新しい基準を満たしていないこと自体もうアウトじゃないか。

この点について千葉県を取材すると現在、事業者が計画の見直しを進めていると回答。

さらに事業者に対し、これまでに58回にわたり行政指導を繰り返していることを明らかにしました。

その内容は、水質検査の実施や施工計画の提出、土砂流出防止対策の実施など幅広い範囲にわたり指導が行われていたのです。

作業をしているすぐ下には民家がたくさんあります。

近隣住民は「あれが土砂崩れやなんかでね流れ出したら大変だよね。メガソーラー自体はいいよ。いいけどもそういう安全面がね、どの程度担保されるのかね」と話します。

事業者は現在、伐採された大量の木を保管する仮置き場を造成していて、県は設置されるまで仮設の柵を設けて流出対策をとるよう指導したといいます。

こうした対応について近くに住む人は「『指導しました』で行政は責任逃れになっちゃう。工事中止にするべき」と語りました。

県から指導を受けた事業者にも話を聞こうと、番組は公開された住所へ。

粘着テープで貼られた紙には手書きで社名が。
しかし、建物に人の気配はありません。

同じ敷地内の建物にいたスタッフは「弁護士を通してほしい」と対応するも、現在までに連絡はありません。

事業者のホームページには9月29日月曜日、「先日行われました千葉県職員による現地確認のお知らせをいたします」と、写真とともに十分な安全対策を立てて進めていると更新されていました。

千葉県は「開発行為が計画どおり適正に行われるよう引き続き、事業者に対して必要な助言・指導等を行っていく」としています。