9月8日、ついにラグビーワールドカップがフランスで開幕。

強豪イングランドとの戦いを前に、貴重な一勝を挙げた日本代表の初戦を現地で取材した。

フランス国民の4分の1が開幕戦を視聴

開幕戦のパリでは、『レ・ブルー』の青白と、『オールブラックス』の黒で埋まっていた。その数、7万8690人。

フランス代表対ニュージーランド代表。フランス代表が、ニュージーランドにワールドカップ史上、初のプール戦黒星をつけた。

ブレイクダウンでの攻防が激しく、前半はどちらに転んでもおかしくなかった。ただ後半からはフランス代表の展開ラグビーが機能し、最後は27対13でフランスの勝利。事実上の決勝戦とも呼ばれていた一戦をホームのフランスが手にした。テレビの世帯視聴率は64.5%を超えたほか、国民の4分の1にあたる1540万人が視聴したとされた。

先制トライをチリに奪われハラハラ

10日にトゥールーズで行われた日本代表の初戦は対チリ代表、ワールドカップ初出場の相手。対戦経験のない相手との初戦は決して簡単ではなかった。チリのフィジカルはワールドカップ初出場とは思えないほど、仕上がっていた。というのも、チリ代表にはフランスでプレーしている選手もいて、個々の選手の強化が進んでいるからである。

現地にはチリのサポーターも応援に駆けつけた
現地にはチリのサポーターも応援に駆けつけた
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スクラムやタックルなどの攻防戦、コンタクトの強度は、ワールドカップ初出場とは思えないほど高かった。勢い良く先制トライをチリに奪われた前半6分、予測していなかった展開に、日本のサポーターはハラハラしたに違いない。

ただ前半から日本代表が身体を当て続けた結果、後半からチリ代表はスタミナが切れてきた。それもそのはず、日曜日の午後1時キックオフ。30度を超える気温の中の試合は、暑い、熱い。ウオーターブレイクという、試合を一時中断し、選手が水分を取る時間も設けられたほどだ。

後半からはチリ代表は足が攣っている選手も見受けられたが、一方の日本代表はスタミナが切れることなく、ラスト20分でさらに勢いをつけ、試合が終わってみると、42対12とスコアは離れた。日本から応援のためにフランスまで足を運んだサポーターたちは、口を揃えて「ヒヤヒヤしたが、勝ってホッとした」と話していた。

日本のサポーターに話を聞く筆者
日本のサポーターに話を聞く筆者

初戦チリ戦は圧倒的な試合内容ではなかったが、ワールドカップ開幕前に連敗していた日本代表にとって、大変意味のある貴重な一勝となった。自分たちのラグビーを信じて戦い続ければ後半、自分たちの時間帯が必ず来ることを証明した初戦。プール戦次戦は、最大のライバルである強豪イングランド。覚悟を決め、日本代表を信じ、私たちも共に戦いたい。
(フジテレビ 冨田真紀子)

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冨田真紀子
冨田真紀子

七転び八起き。いた時よりも美しく。
千葉県浦安市出身。早稲田大学国際教養学部卒。14年フジテレビ入社。
ラグビー女子日本代表として、13年セブンスワールドカップ、16年リオ五輪、17年ワールドカップ出場。現在南仏ポー拠点。フランス1部リーグ Lons Section Paloise Rugby Féminin 所属。