パリオリンピック予選の前哨戦「ネーションズリーグ」。決勝ラウンド進出を果たしたバレーボール女子日本代表をけん引したのが、キャプテン・古賀紗理那(27)。日本の大黒柱として君臨する彼女だが、そのバレー人生は決して全てが順風満帆ではなかった。

古賀「苦しい経験をしているのが私の強み」
古賀「苦しい経験をしているのが私の強み」
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古賀:
悔しい経験を他の選手よりもたくさんしているのが、私の強みだなと。

16歳で代表 次世代エースとして注目

古賀がバレー界に名をとどろかせたのは、まだあどけなさが残る高校1年生の時。翌年には、当時最年少16歳で日本代表入りを果たした。

2015年ワールドカップで次世代のエース候補として注目
2015年ワールドカップで次世代のエース候補として注目

当時日本の絶対的エース・木村沙織を抑え2015年のワールドカップでは大会総得点で5位に輝くなど、次世代のニッポンを導くエース候補として期待された。

しかし、迎えたリオオリンピック最終予選。古賀を警戒する相手から執拗にサーブで狙われると、それが持ち味の攻撃にも影響。攻守に精彩を欠く場面が目立つように。

リオオリンピック 眞鍋監督のメンバー構想から外れた
リオオリンピック 眞鍋監督のメンバー構想から外れた

オリンピックに向け、当時の女子日本代表・眞鍋政義理監督が選んだメンバーの中に、古賀の名前はなかった。

東京五輪でケガ…引退か現役続行か

それでも、挫折を乗り越え初代表から8年、日本のエースとしてたどり着いた夢舞台・東京オリンピック。古賀はその初戦に右足首を負傷。エースを欠いた日本は、25年ぶりに予選敗退という屈辱を味わった。またしても、挫折を与えたオリンピックの舞台。大会後、古賀は引退も考えたという。

東京オリンピックのあと引退も考えた
東京オリンピックのあと引退も考えた

古賀:
ほんとにこれ終わっていいのかなって自分の中でずっとあって、そこ自分の中で葛藤して結果にこだわって代表ではプレーしたいなという気持ちに結局自分の中でなって。

パリへ 新キャプテンの思い

オリンピックの悔しさは、オリンピックで晴らす…古賀は再び夢舞台へ歩み始めた。そんな古賀に、新チームのキャプテンを託したのは、リオで古賀をメンバーから外した眞鍋監督だった。

眞鍋:
悔しさを知っているし五輪の厳しさも知っているのでキャプテンにした。日の丸に対しての重み・覚悟が今までと全然違う。

キャプテンとしてチームが勝てばOK
キャプテンとしてチームが勝てばOK

日本代表に初選出されてから10年。キャプテンに就任した古賀の思いを聞いた。

古賀:
理想とかあんまり無くて、結局結果なので、キャプテンとして結果を残すじゃなくて、チームが勝てばOKという気持ちでやっています。

五輪への登竜門 W杯での決意 

全ては、結果・勝利のために…。さらなる高みを目指して古賀が取り組んだのが、筋力の強化。

古賀:
ジャンプを”しなやかに強く”というのを自分の中でテーマにしていて、たくさんジャンプしても疲れない体にするために体幹トレーニングとかはすごくやっていますね。

結果・勝利のために筋力強化に取り組む
結果・勝利のために筋力強化に取り組む

結果にこだわり、自らをいじめ抜いた古賀…。すると、パリまで1年となった今年のネーションズリーグ。大会を通じてチームトップの209得点をたたき出し、その覚悟を見事に結果で見せつけた。そして、幾多の挫折を乗り越えた古賀が挑む、今年の大一番。

古賀:
オリンピックの切符をまず取らないことにはパリオリンピックでメダルは獲れないと思っているので。勝ちきるというのが私の目標でもありますし、チーム全体の目標でもあると思うので。その結果に行くために、自分がしなければいけないことをしっかり1から考えてやりたいな、というのはすごく感じています。

全てはオリンピックでの悔しさをオリンピックで晴らす為に…。そしてその先に、まだ見ぬ“結果”を見せてくれるはずだ。

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
日本戦全試合をフジテレビ系独占中継!
女子大会 9月16日(土)- 9月24日(日)
男子大会 9月30日(土)- 10月8日(日)
東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催

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