想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」。
今回のテーマは「理容室&美容室」。
「安すぎる美容室」や「カットの時間が長すぎる美容室」「トークが独特すぎる理容室」まで、ナナメ上なことになっている理容室・美容室を紹介する。
まずは、極上サービスが受けられるお店から。
極上サービスの美容室・理容室
東京・杉並区にある「COCONA(ココナ)」。
ここではカットからシャンプー、ヘッドスパまで、全て客がハンモックに乗ったまま行う、“世界初”の「ハンモックヘアサロン」だ。

高い技術力を持った美容師が、静かな揺れでのヘアカットを実現。体も心もリラックスし、眠ってしまう人が続出しているという。
さらに、都内7店舗、海外2店舗を展開する「PREMIUM BARBER(プレミアムバーバー)」はプレミアムな理容室。
大理石のフロアに高級リクライニングチェア、そして完全個室にテレビ完備と、ハイクラスな空間で施術を受けられる。

そんなひと味違う理容室、美容室が登場する中、個性を伸ばしすぎた結果、ナナメ上に進化してしまったお店があった。
カットが激安の美容室
一般的に美容室のカット料金の平均予算は約3600円。
安さをウリにしているところでは1000円台というところもあるが、福岡・直方市にある「美容室チョモ・ヘアー」はビックリするほど激安なのだという。
店の前には「嫌々営業中」の看板など、少しおかしな張り紙もあり、入る前から“ナナメ上”さを醸し出している。

調査員が店の中に入ると、作業着姿のちょっとこわもての店主が登場。
「髪を安く切ってもらえると聞いて来た」と伝えると、店主の國廣朋史さんは「今日は20円で」と驚きの値段を提示。

「20円とは一体どういうことなのか?」と思いつつも、調査員は恐る恐るカットをオーダー。
カットが始まったと思いきや、なんとすぐに終了。所要時間はわずか3分だった。

そう、カットと言っても前髪だけ。
店主いわく、「前髪を切るだけだから20円」なのだという。
しかし前髪だけだとはいえ、なぜこんなに安いのか?
「(周辺の)学生さんが頭髪検査が厳しいので、5ミリしか切らなかったりして、頻繁に来て維持する。だから、うちは安く切ろうと思って」(美容室チョモ・ヘアー店主 國廣朋史さん)

地元の学生のために始めたという、心優しい店主の思いから誕生した激安カット。
気分によっては5円や10円の時もあり、時には無料の日もあるという。

ちなみに店の前にあった「嫌々営業中」の看板の意味については、「目を引くためによく見る『真心込めて営業中』にユーモアを加えて真逆の事を言ってみようかなと思った」という、店主の優しさとユーモアがつまった美容室だった。
続いては、カットの時間が長すぎる美容室。
カットだけで2時間の美容室
カットだけなら10分で終わるチェーン店や、シャンプーを入れても1時間以内が一般的。
しかし、広島市にある「美容室MASAKICHi(マサキチ)」はカットだけで約2時間もかかるという。

なぜ、そんなに時間がかかるのか?
調査員は、今年70歳になるという店主の藤堂正之さんにカットをお願いしてみた。
すると、「切る前にちょっと準備がある」と言うと、店主がサングラスをかけて登場。

そしてマイケル・ジャクソンの楽曲「ビリージーン」をかけたと思うと、突然のロボットダンスを披露し、踊ったまま髪を切り始めた。

さらに、マイケル・ジャクソンばりの華麗なムーンウォークも披露。
軽やかな足さばきはいいのだが、カットはなかなか進まない。

曲が変わっても踊り続けるため、カットは全く進まないが、なぜ、こんなに時間がかかるカットを始めたのか。
「“ダンシングカット”と言うんですが、(お客さんの)『踊りながら切れる?』と冗談から始まって、本当に切れた。お客さんも面白いねってなったんです」(美容室MASAKICHi店主・藤堂正之さん)
曲は藤堂さんの気分やお客さんを見てアドリブで決定。
ダンスは即興なのだという。

ただ耳周りや仕上げはさすがに危ないため曲を止め、カットに専念。
そして、最初の曲かけから2時間後、ようやくカット終了した。
ちなみに料金は通常カットと同じ。時間がかかりすぎるため、1日1組の完全予約制だという。
続いては、トークが独特すぎる理容師。
トークがナナメ上な理容室
理容師や美容師といえば、お客さんに合わせて話題を広げるトーク力も魅力のひとつ。
東京・清瀬市にある「BBつばめ」店主の渡邉和博さんは、相手のことはお構いなしな、ゴーイングマイウェイすぎる“ナナメ上”な理容師だった。
調査員がお店を訪ねると、「ステーションマスター駅長でございます」と、自らを「駅長」と呼ぶ渡邉さん。
無類の鉄道好きで俗に言う“鉄ちゃん”だという。

鉄道好きな渡邉さんに店の営業時間を聞いてみると、「始発は10時からで終車が19時になっております。運休日は毎週木曜日でございます」と、鉄道に寄せたトークを展開。

カットに入ってもお客さんにマニアックな鉄道ワードを連発していく。

そんな渡邉さんの趣味はもちろん、鉄道関連グッズ集め。
店内には自慢の品が所狭しと並んでいる。
続いては、ナナメ上な美容室、海外編。
日本の“あれ”でヘアカット!?
スペインで有名な美容師、アルベルト・オルメドさん。
なぜ有名なのかというと、日本等で髪の毛をカットしているからだ。

カットの終盤では、両手に持って二刀流も披露するなど、切られる方はヒヤヒヤ。

実は刀でのカットをしているのは、オルメドさんいわく、くせ毛や痛んだ髪を切り落とすのにもってこいなんだそう。
そして仕上げはなんと、毛先に火をつけはじめる。

この「カタナカット」は日本円で約4000円。
スペインに行った際は体験してみてもいいかもしれない。
髪型が決まらないと悩んでいるみなさん、ナナメ上に進化した理容室・美容室に行ってみるのはいかかでしょう。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年6月6日放送)