おせちやお正月料理を食べ終わった1月中旬、どんな料理が食べたくなるだろうか。
毎年、今の時期になると有名なキャッチコピー「おせちもいいけどカレーもね!」を思い出す人も多いかもしれない。
そこで、今回の想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」では、国民食「カレー」に注目。
「見た目を重視しすぎたカレー」や「無い無い尽くしのカレー店」「激ムズ無料サービスのカレー店」「辛さの調節がおかしなカレー店」など、“ナナメ上”な「カレー」を取材した。
まずは、見た目を重視しすぎたカレーから。
真っ白&飲み物みたいなカレー
岡山県・倉敷市にある創作居酒屋「アジアな季節 SORA(ソラ)」。
この記事の画像(24枚)「お客さんを喜ばせたい!」とオーナーの向井さんが考案した、見た目重視のカレーが、真っ白な「児島塩田(こじまえんでん)キーマカレー」だ。
塩の製造で栄えた倉敷市児島地区の塩田に見立てたこの一皿は、ひき肉、タケノコ、豆、タマネギなどが入ったキーマカレーの上に、生クリームとクリームチーズを合わせてホイップ状にした特製チーズフォームをかけている。
カレーのコクとマイルドさが増した、女性に人気の看板メニューだ。
さらにもう一品、“見た目”だけを追求したカレーがあるという。
向井さんが「すごく食べづらいと思います。見た目、勝負ですね」という、食べやすさ度外視のカレーはなぜかビールジョッキに入っていた。
「カレーは飲み物」という有名な名言を少し間違った捉え方で表現したという一杯。
ビールジョッキに入ったこのメニューの名前は「カレーは飲み物?」。
カレーの下にあるご飯を圧縮して入れることで、カレーが下に流れ込まず、カレーとご飯のキレイな2層ができあがる。
ビールの泡とビール本体部分が逆転したような見た目になっている。
しかし、向井さんは「圧縮するが故に余計食べにくくなるんですね」と笑う。
食べるのは一苦労だが、気になった方は一杯いかが。
続いては、ないない尽くしのカレー店。
一品しかないカレー店
東京・高輪にある昭和63年にオープンした「サンライン」。
白を基調とした店内はカウンター10席のみと、なんともシンプルな作りだ。
一体、何が「ない」のだろうか。
店内を見ると「お水はいっさい出しません」の文字を見かけた。
「お水はお出ししておりません。(カレーを食べて)体が温かい状態を維持していただきたいので、お水をだしていないんです」(店員)
水が出ないことに加えて、メニューは「ビーフカレー」1種類のみ。
しかも、ビーフカレーなのに具材は一切入っていない。
胚芽米のご飯にサラサラなソースがかかった、超シンプルなカレーだ。
もちろん、追加のトッピングもなければ、福神漬けやらっきょうもない。
そのお味は「後からくるスパイシーな感じがクセになります」と調査員。
実はこのソース、牛肉を約5時間煮込んで裏ごしし、うま味エキスだけを抽出した本格派。
もちろん、スパイスにもこだわっていて、コショウ系の辛さが癖になる一皿となっている。
カレーを食べるにつれ、だんだん汗をかいてきた調査員。
「水飲みたいな…」とつぶやくが「あ、飲みたいですか?何のために?」と言われ、思わず笑ってしまった調査員だった。
ちなみに、体が温まりすぎないようにと、店内は冬でも暖房をつけていないという。
続いては、無料なのはうれしいが、その条件が難しすぎるカレー店を紹介。
激ムズ無料サービスがあるカレー店
「超大盛りを制限時間内に完食できれば無料!」というサービスはよく聞くが、東京・下北沢の「ポニピリカ」では少し変わった無料サービスがあった。
甘みの強い北海道産のタマネギや、青森産のニンニクなど、野菜にこだわったスープカレーの店で、エビ・トマト・和風、3種類のスープから選ぶことができる。
そんな絶品スープカレーを無料で食べられる条件が、レトロ感漂うゲーム「クイズBOX」だ。
漢字・歴史・科学など様々なジャンルから出題される10問のクイズに三択で解答。
全問正解すれば無料になるという。
しかし、佐藤店長いわく、「難しすぎて、何のこっちゃ分からないのが多い。最後までいった人は誰もいない」と、約9年前に設置して以来、全問正解した客はゼロだという。
それならばと調査員が挑戦してみることに。
どんなクイズが出てくるのか?挑戦料の1回100円を入れ、早速、クイズを始めてみる。
第1問目は「エンピツを日本で最初に使った人は?」
A:徳川家康
B:豊臣秀吉
C:織田信長
シンキングタイムは約20秒で、調査員は「織田信長」のボタンを押すも、正解は「徳川家康」で不正解だったため、1問目で無料サービスのチャレンジが終了した。
クイズは正解・不正解に関わらず10問終わるまで続き、不正解の場合、すぐに次のクイズが出題されるため、答えがわからない状態で進んでいくという。
ちなみに調査員は3問目、4問目も難問が続き、不正解。
そして、心が折れ始めた5問目にしてようやく正解に。
その後も勘を頼りに選んだ答えがたまたま正解していき、結果は10問中、4問正解という結果となった。
ちなみに、佐藤店長の最高記録を聞いてみると「適当にやって当たったのもあるんですけど、7問ぐらいまでしかいけてないですね」とのこと。
クイズに自信のある方はぜひ、挑戦してみては。
最後は、14万円で変わったことができるカレー店。
辛さの調節がおかしなカレー店
東京・品川にある「ロビンソンクルーソーカレーハウス」。
一番人気の「北品川カレー」は牛骨・豚骨・鶏ガラなどのだしをブレンドした中辛のカレーソースに、塩・コショウ・しょうゆで味付けした、ほうれん草がたっぷりのった一皿だ。
「一週間に一回ぐらい食べたくなる味を目指しています」という、店長の坂本さんが最もこだわるのは辛さのレベル。
好みの辛さに調整できる大手カレーチェーンは20辛が上限だというが、この店の上限は最高が1万4000倍。
そのシステムは、10円単位でトウガラシ・ハバネロ・ジョロキアなどの辛味パウダーを追加でき、通常の2倍の辛さにしたい場合はプラス20円、3倍にしたい場合はプラス30円で辛さのレベルを調節できるという。
つまり、1万4000倍にしたい場合はプラス14万円ということになる。
店長の坂本さんは「『カレーの辛さをこれ以上、上げられないのか?』というご要望によって上げるようになりました。今度は○倍にしてって言われたら(辛さ)を足していくような形になりました」と話す。
実はこの店、辛さ50倍以上を食べきると店内に名前入りの張り紙を掲示。
そのため、我こそはと全国から激辛マニアが集まる聖地となっているのだ。
辛さ100倍カレーだと、通常の中辛カレーにトウガラシパウダー32グラムを追加。
ルーの色は真っ赤だが、これはまだまだ序の口なのだ。
辛さ1000倍のカレーはトウガラシパウダーをさらに12グラム増量。
そして、辛さ500倍から入れるハバネロパウダーが2グラム、辛さ1000倍から入れるジョロキアパウダーが2グラム入っている。
調査員がその1000倍カレーを一口、食べてみると「あ、でも、やっぱりすっごいこれ!すぐ来ますね、辛さが」と苦悶する。
それでも、1000倍を完食したつわものは約300人もいるのだという。
そして、辛さ1万4000倍のカレーには5種類のスパイスが使われている。
ホットカリースパイスに加えて、トウガラシパウダーが72グラム、ハバネロパウダーが8グラム、そしてジョロキアパウダーが28グラム。
スパイスを見ているだけで汗をかきそうなビジュアルだ。
しかし、この1万4000倍の辛さのカレーを完食したつわものが一人いた。
店長の坂本さんは「30分かかってないんじゃないかな。ほとんど水を飲まずに、その麻痺した状態で食べてらっしゃる」と話す。
ちなみに、毎月一回開かれるイベントの時はどんなに辛くしても、無料でグレードアップできるという。
挑戦したい人はぜひ、行ってみては。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2024年1月9日放送)