4月26日は「よい・ふ・ろ」で「よい風呂の日」。

今週末からゴールデンウィークがスタートすることもあり、家族や友人で温泉に行く計画を立てている人もいるだろう。

そこで想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」では今回、「温泉」の“ナナメ上”を調査。

「狭すぎる温泉」に「熱い温泉」「つかるまでが過酷すぎる温泉」など意外な進化を遂げた温泉を紹介する。

まずは、日本一大きな温泉から。

島根にある“日本一大きい露天風呂”

島根にある「玉造温泉(たまつくりおんせん)」の「龍宮の湯(りゅうぐうのゆ)」は、10年連続で“日本一大きな混浴露天風呂”に認定された温泉だ。

島根・玉造温泉「龍宮の湯」
島根・玉造温泉「龍宮の湯」
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120坪の広さを誇り、源泉100%掛け流しで、湯上がりもお肌のしっとり感が長続きするそう。

玉造温泉は、明治42年に完成し、現在まで100年以上にわたり多くの人に愛されているという。

広すぎる温泉がある一方、狭すぎる温泉も見つけた。

たらいにつかる?狭すぎる温泉

温泉地として知られる和歌山・那智勝浦町(なちかつうらちょう)には“狭すぎてリラックスできない”温泉があるという。

通行量の多い県道を徒歩で横断し、脇道を進んで行くと見えてきたのは「たらい」だ。

和歌山・井関温泉「たらいの湯」
和歌山・井関温泉「たらいの湯」

「本当に温泉なのか?」と思ってしまうが、しっかりと温泉の匂いがする。

この温泉は「たらいの湯」。

調査員が実際につかってみると足首までつかるのが精いっぱいでとても狭く、温度はぬるい。

そもそもこの「たらい湯」は、地元の人によると約60年前にこの地域で温泉病院を建てるために掘られたそうで、当時は行水で利用していたという。

しかし、現在は野菜を洗ったり、衣類のすすぎに使われることが多く、地元の人にとっては「第二の台所」のような場所。

今では、風呂以外の生活用水として利用されているため、なかったら困る存在になっているそうだ。

ちなみに無理に入ろうとせず、足湯としてつかってもいいとのこと。24時間、365日無料で入ることができる。

指のための温泉!?

長崎にある「雲仙(うんぜん)いわき旅館」は、玄関の横に温泉がある。

長崎・雲仙いわき旅館
長崎・雲仙いわき旅館

その名も「指の湯」。

長崎・雲仙いわき旅館「指の湯」
長崎・雲仙いわき旅館「指の湯」

以前は施設内にある浴場の残り湯をそのまま排水していたが、通りすがりの観光客にも触ってもらおうと始めたという。

「指の湯」は小さいがれっきとした温泉なのだ。

この温泉は、無料で指をつけることができ、効能は神経痛や筋肉痛、関節痛などといわれている。

続いては、福島にある“熱さ”を売りにしている温泉。

温度は70℃?熱すぎる温泉

福島・飯坂(いいざか)温泉共同浴場には、9つある各公衆浴場の湯口の温度を比較した「熱さ番付」がある。

その中でも最も熱い「横綱」に格付けされているのが、「大門の湯(だいもんのゆ)」だ。

(画像:福島市役所 観光交流推進室)
(画像:福島市役所 観光交流推進室)

「大門の湯」の湯口の温度は、70.3℃。

福島・「大門の湯」(画像:福島市役所 観光交流推進室 福島市観光開発株式会社)
福島・「大門の湯」(画像:福島市役所 観光交流推進室 福島市観光開発株式会社)

水と混ぜても60℃以上になることもあるというが、こんなに高温の温泉に入れる人はいるのか。

飯坂町財産区公衆浴場の管理人によると「『1分も入れませんでした』と帰って行く方もいらっしゃいます」とのこと。

しかし、飯坂温泉を利用している人は熱めが好きな人が多く、ぬるいと文句を言われるようで熱めの温度にしているという。

続いては、つかるまでが過酷すぎる温泉を紹介。

富山・北アルプスの奥地にある「高天原(たかまがはら)温泉」は、登山でしか行くことができない場所にある。

そこに行くまでの道のりが、とにかく過酷すぎるという。

富山・「高天原温泉」(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)
富山・「高天原温泉」(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)

“日本一遠い所にある秘湯”として、温泉好きや登山好きに人気だというが、どれほど過酷なのか。

登山歴10年で「高天原温泉」に行ったことがある安西貴矢さんは、「1泊2日でも相当足の速い人でしか行けないので、最低でも2泊3日という感じで、なかなか条件が厳しい。気軽には行けない」と語る。

登山に慣れている人でも一苦労だというその道のりは、まず大自然を感じる森を抜け、長い階段をのぼり、約4時間歩くと到着するのは山小屋。

(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)
(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)

山小屋から「高天原温泉」までは、かなり遠いため、テントを張って一泊する。

(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)
(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)

翌朝、雲海を下に見ながら朝5時半に出発し、森の中、そして河原のゴツゴツとした岩の上を進んで行く。

(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)
(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)

その後も山を登り、獣道を進むこと約8時間。ようやく目的地の高天原山荘(たかまがはらさんそう)に到着する。

(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)
(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)

2日かけ、やっとの思いでたどり着いた温泉は、川の真横にある、乳白色のお湯が特徴的な天然の露天風呂だ。

効能は神経痛や筋肉痛、運動麻痺などといわれ、まさに登山で疲れ切った体には最高の湯になる。

富山・「高天原温泉」(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)
富山・「高天原温泉」(撮影:ANZAI MOUNTAIN▲)

山と一体化しているかのような景色に加えて、温泉には青空も映り、まさに天国のような気分を味わうことができる。

ただし温泉につかってリラックスしても、再び過酷な山道をたどって帰路につかないといけないことは忘れてはいけない。

ゴールデンウィーク、ナナメ上な温泉を楽しんでみるのもいいかもしれない。

(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年4月25日放送)