12月も半ばになり、クリスマスも間近だ。
クリスマスならではの豪華ディナーやさまざまな限定サービスがある中、想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」では、『クリスマスメニュー』に注目。
「デカ盛り!町中華のクリスマスチャーハン」「レバーのブッシュ・ド・ノエル」、「オーナメントがイカの干物のクリスマスツリー」など、“ナナメ上”な「クリスマスメニュー」を取材した。
まずは、おそば屋さんのクリスマス限定メニューから。
クリスマスツリーそば
東京駅八重洲口直結の「東京駅一番街」にある、観光客やビジネスマンで賑わう「越後そば」。
一番人気は「かき揚げ天そば」で、大きめに切った玉ねぎが入った、サクサクのかき揚げがたまらない一品だ。

そんなそば屋さんでクリスマス、というのは少し想像がつかないが、メニューを見てみると、「クリスマスツリーそば」の文字があった。

店長の山本育子さんが「東京駅一番街の企画で『クリスマスメニューを出しているレストランありますか?』とあったのですが、『おそば屋さんなのでちょっと難しいですよね』と言われて。ちょっとそれで逆に燃えて…」と話す。
そんなそば屋さんが本気で考えたクリスマスメニューは「クリスマスツリーそば」。

熱々のそばの上にそびえ立つ、天ぷらクリスマスツリー。
緑の具材は春菊で、揚げるときに広がってしまうためツリーの形にするのが難しいという。

とろろで雪を表現し、飾り付けのオーナメントには紅ショウガを使い、煌びやかにしている。
「『すごくかわいいね』ってみんな言ってくださって。結構人気が出たので、私たちはちょっと得意気でした(笑)」(店長・山本育子さん)
続いては、町中華のクリスマス限定メニュー。
デカ盛り!クリスマスチャーハン
千葉県松戸市にある1980年創業、地元で愛される町中華「東東(とんとん)」。

店長は、現役女子大生の池田穂乃花さん(21)。
先代が亡くなった後、孫の穂乃花さんがお店を引き継ぎ、SNSや動画サイトなどで情報発信している今話題の店だ。
調理担当・幼馴染のシュウ・ウェイジェンさんと「東東ガールズ」の愛称で店を盛り上げている。

「(先代の)おじいちゃんもいないし、来なくなってしまうお客様が本当に多かったです。若い方や女性の方にも来てもらえるお店になりたい。賑わいを取り戻そうという気持ちが最初は強かったです」(店長・池田穂乃花さん)
若い女性2人が切り盛りする店ながら、200グラムのハンバーグがのったチャーハンなど、デカ盛りメニューが充実している。

そして不動の人気メニューが、先代の味を受け継いだという「肉丼」。
豚肉、たけのこ、ピーマン入りのあんかけがのった絶品丼だ。

そんな“ザ・町中華”のクリスマス限定メニューが「トリプルチキンチャーハン」。
自慢のたまごチャーハンの上に、クリスマス感を出すため、骨付きフライドチキンを3つのせたシンプルかつ大胆なメニューだ。

「クリスマスなので(市販の)フライドチキンを3つのせたんですが、去年はパサパサしていて、反省を生かして今年は進化しました!」(店長・池田穂乃花さん)
実はこれは、去年の限定メニューだということで、進化した今年のメニューは「唐タル炒飯クリスマスバージョン」。

ベースは、去年と変わらずたまごチャーハンだが、上にのせるお肉をリニューアルし、大ぶりの鶏のから揚げに変更。
2度揚げしてジューシー感にこだわり、タルタルソース、パセリ、レッドオニオンでクリスマスカラーを表現した力作だ。
「レストランでチキンを食べる時はナイフとかフォークとかを使ったりすると思いますが、東東に来ていただいた時には、手で豪快にいって、笑って食べられたらいいなって」
そう話す店長の池田さんは、将来の夢は「アナウンサー」のようで、芸能事務所にも所属している、いわばアナウンサーの卵。

そこで“食レポ”をお願いしてみると、「ジューシーな唐揚げと、しっとりとしたタルタルとトルティーヤチップス、玉ねぎがのっているので、いっぱい食感があって楽しいです。よかったらみなさんこちら食べに来てください」と美味しさを完璧に伝えてくれた。

ちなみに、2本のローストチキンがのったチャーハンも限定メニューにラインアップ。
デカ盛りが好きな方はぜひ行ってみてはいかかでしょうか。
続いては、定食屋さん渾身のクリスマスケーキ。
レバーのブッシュドノエル
東京都清瀬市にある、行列必至の定食屋さんが作ったクリスマスケーキは、雪だるまが印象的なとてもかわいらしい「ブッシュ・ド・ノエル」だ。

切り株の周りには栗ペーストのような飾りつけもあるが、よく見るとトマトや緑の野菜がのっている。
これはケーキ風のチャーハンだといい、断面を見てみると、確かにチャーハンだ。さらに、中に照り焼きチキンも入っている。

このケーキを作ったのは、定食メニューの全てがレバーだという、レバー料理専門店「レバニラ定食 kei楽」。
さっぱりとして臭みのない庄内豚のレバーにこだわり、1番人気の「レバニラ定食」は計算された火入れでプリプリのレバーにニンニクの効いた特製ダレでご飯がすすむという。

「ブッシュ・ド・ノエル」のようなケーキで栗ペーストに見えたのも実は、レバー。
レバーペーストを練りこんだマッシュポテトなのだそう。

そして切り株の木目部分はチャーシュー、もみの木風はロマネスコという野菜、雪だるまはマッシュポテトでできている。

それにしても、なぜチャーハンでケーキを作ったのか。
店主の秋元修さんは、「もともと、(無料で)バースデーチャーハンやチャーハンケーキみたいなものは作っていて。お客様から『クリスマス用のチャーハンケーキを作ってもらえないか』というのが最初。楽しくニコニコしている顔を想像して作っています」と話す。
続いては、ビックリするものがつるしてあるクリスマスツリー。
イカがもらえる!?クリスマスツリー
佐賀県唐津市呼子町は、港にイカ釣り漁船がズラリと並ぶ、日本を代表するイカの町。
毎朝開催される呼子朝市は有名な朝市のひとつで、観光客でにぎわっている。

そんな呼子のこの時期のシンボルが、高さ5メートルのツリーに約5000個の電球、そして名物のイカがあしらわれた、その名も「イカすクリスマスツリー」だ。

近づいてみると、その「イカすクリスマスツリー」のオーナメントは、イカにアジの干物。
まさに、港町ならではの光景だ。

しかし、このツリーが本領発揮するのは翌朝だった。
朝市がオープンすると、イカ焼きやイカしゅうまい、サザエのつぼ焼きなど、おいしい呼子名物がズラリと並び、ツリーにも観光客が群がる。

すると、「1人1個、もらってどうぞ」と、お店の人の声が聞こえた。
このツリーに飾られている干物やスルメは1人1個、無料で持ち帰ることができるようで、とても大盤振る舞いなツリーなのだ。

なぜ、このようなツリーを作ったのか。
呼子朝市組合長の山下祥子さんは、「呼子ならではのツリーをということで、アジのみりん干しやイカのスルメを1個ずつ持ち帰りできるようになっています。(なくなるまでに)1時間もたないでしょうね」と話す。
実際この日も、1時間もたたずに全てのスルメや干物がなくなってしまうほどの人気ぶり。

さらにこのツリーは、クリスマスが終わると正月の雰囲気になり、「イカすツリー門松」として活躍する。
スルメや干物は付けないようだが、興味がある人は見に行ってみては。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年12月12日放送)