想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」では、最近さまざまなタイプが登場し需要が増えているという「お箸」の“ナナメ上”を調査した。
「忙しすぎるお箸」「光るお箸」「つかみにくいお箸」「太すぎるお箸」まで、意外な進化を遂げたお箸を紹介する。
まずはこだわる人が使う“専用”のお箸から。

箸の先端が細く、お菓子をつかむ専用のお箸として作られた「こだわりの箸 菓子」。
先端が細いことでポテトチップス1枚1枚が取りやすくなっていて、手を汚すことなく食べることができる。

その逆に先端部分が太いお箸は、納豆を混ぜるためだけのお箸「納豆棒」。
らせん状の溝が特徴的で、一般的なお箸よりも少ないかき混ぜで、ふんわりとした粘り気を出すことができるという。
そして、ラーメンをつかむためだけのお箸もある。

先端に交差した溝が入っているため、滑り落ちやすい麺をしっかりキャッチできる。
このお箸を使えば洋服を汚す心配もなく、ラーメンを食べることができそうだ。

手のサイズに合わせて世界で一つだけの“マイ箸”を作ることができるサービス「itten」。
スマートフォンで手のひらを撮影して送付すると、データをもとに手のサイズを解析。自分に合う適切な箸の長さを導き出して、職人が一膳ずつ丁寧に仕上げてくれるという。
こうした便利なお箸がある一方で、便利さを追求した結果、ナナメ上に進化したお箸があった。
ストロー兼お箸で忙しすぎる!
「箸inアルミストローecoセット」は、通常ストローとして使用するものだが、付属のパーツを取り付けると、お箸として使用することができる。

“マイ箸”と“マイストロー”の2通りで使えるという優れものだが、お箸として使用しているとストローとしては使えない。
「食べる」ときと「飲む」ときでパーツの着脱が必要で、ちょっと忙しすぎるお箸なのだ。
続いては、利用シーンが限定的すぎるお箸。
暗闇で食べるときも大丈夫
透明なボディで持ち手の部分にボタンがついているお箸。
そのボタンを押してみると、透明な部分が光るお箸は、暗闇の中で食事をする時専用のもの。

自宅での映画鑑賞時など、暗い環境でも雰囲気を高めて食事ができ、11種類の点灯パターンから部屋の雰囲気や気分に合わせて選ぶことができるという。
続いては、食べられない!?お箸。
柔らかすぎて食べられないお箸
見た目は何の変哲もない普通のお箸だが、おかずをつかもうとすると、先端がやわらかすぎて曲がってしまう。
おかずをつかんで持ち上げるのにも四苦八苦する。

なぜ、こんなにも曲がる箸を作ったのか。
このお箸を作っているミノル化学工業・代表取締役の押川新一さんによると「早食い防止をするために先端をやわらかくして食べにくくしているお箸『痩せ箸』」とのこと。
あえて食べにくくすることで、早食いを防止するためだという。
「実際使っているとちょっとイライラするところがありますよね。私自身は何回か使いましたけど、(痩せ箸を)使い続けてはいないですね」と押川さん。
作った本人さえ、使い続けるのを諦めたナナメ上なお箸だ。
続いては、ギネス世界記録にも認定されているお箸が登場。
ギネスにも認定された超巨大箸
一般的なお箸のサイズは長さが22.5センチ前後で、持ち手の太さが8ミリ前後と言われている。
しかし、塗り箸の生産量日本一を誇る福井・小浜市には、ギネス世界記録に認定されている超巨大なお箸がある。

そのお箸は全長8メートル40センチ、一本の持ち手の太さは35センチで重さは約1トンという、超巨大箸だ。
「箸の文化を知ってもらおう」と、PRの一環として2009年に製作され、ギネス世界記録に認定された。
この超巨大箸は大きすぎて持つことはできないが、ギリギリ使えそうなサイズの大きいお箸を銀座で見つけた。
観賞用?太すぎるお箸
東京・銀座に本店を構える箸専門店「銀座夏野本店」にあったのは、とても大きくて太い箸。
この「巨人箸(きょじんばし)」は、太さ1本2.5センチ、長さは39センチあるため、一般的なお箸と比べてみると、その太さ、大きさが段違いなのがわかる。

「巨人箸」は「托鉢箸(たくはつばし)」とも言われ、僧尼が修行時に持って行くお箸で、その昔、山で修行中に獣に襲われた時、立ち向かうための護身用として、このような太さになったと言われている。

この「巨人箸」は過去に数名、購入した人がいるというが、購入者は使わずに観賞用にしているそうだ。
たくさんのナナメ上に進化したお箸、お気に入りのお箸を探してみてもいいかもしれない。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年5月9日放送)