幅広い世代に愛され、もはや国民食ともいえる「から揚げ」。

4月12日には、日本で一番おいしいから揚げ店を決める「からあげグランプリ」の授賞式が行われ、全国の珠玉の逸品が続々と登場した。

特定のカルチャーをより深く味わう「沼から来た。」では今回、まだまだ底がしれない「から揚げ」のディープな魅力を紹介する。

鶏の半身をまるごと揚げたから揚げや、今年の最高金賞を受賞したから揚げ、鶏1羽からわずか2切れしか取れない希少部位を使用したから揚げなども。

あなたも「から揚げ沼」にハマってしまうかもしれない。

インパクト大!半身から揚げ

から揚げ研究家・有野いくさんは、毎日から揚げを食べ続け、全国約3300店舗の味を制覇している。所有するから揚げグッズは3000個も。

そんな有野さんが今、食べてほしいオススメから揚げを紹介していく。

から揚げ研究家・有野いくさん
から揚げ研究家・有野いくさん
この記事の画像(10枚)

まずは、有野さん注目、全国の「ご当地から揚げ」から。

全国のご当地から揚げ
全国のご当地から揚げ

北海道の「ザンギ」から長野のザクッとした厚い衣が名物の「山賊焼き」、愛知の「手羽先」や大分の「中津からあげ」、宮崎の「チキン南蛮」。

そして、素揚げしたゴボウと鶏肉を甘辛いタレで絡めた山口の「チキンチキンごぼう」、黒さが特徴の栃木の「佐野黒から揚げ」など、全国各地にたくさんのご当地から揚げがある。

その中でも有野さんがオススメするのは新潟の「半身揚げ」だ。

鳥専門店 せきとり「半身唐揚げカレー味」1296円 (※各店舗とオンラインショップで販売)
鳥専門店 せきとり「半身唐揚げカレー味」1296円 (※各店舗とオンラインショップで販売)

半身がそのまま揚げられているという、なんともインパクト大な「半身揚げ」。

このボリューム満点なから揚げは「肉の部位を細かくすると捨てる部分が出てくるのでもったいない」ということから生まれたという。

新潟ではクリスマスや祝い事の定番のようで、子どもでも楽しめるようにカレー味になっていて、クリスマスシーズンには1日で3000個以上売れることもあるという。

続いては、奥深さを堪能できるから揚げ。

何個でも食べられる!サクッジュワから揚げ

東京・台東区にある「からあげ家 奥州いわい 秋葉原本店」。

本社のある岩手県に養鶏場をもち、鶏の生産からから揚げの販売まで一貫して行っているため鶏肉が新鮮なことが特徴だ。

秘伝のタレに漬け込んだこだわりの鶏肉に北海道産のバレイショの粉を薄く付け、180度以上の高温で約5分揚げる。

そうすることで外の衣はサクッ、中のお肉がジュワッ、サクッジュワッな「室根からあげ」から揚げができあがるという。

からあげ家 奥州いわい「室根からあげ」500円(5個)(※各店舗・道の駅・オンラインショップで販売)
からあげ家 奥州いわい「室根からあげ」500円(5個)(※各店舗・道の駅・オンラインショップで販売)

この「室根からあげ」は今年のからあげグランプリで東日本しょうゆダレ部門最高金賞を受賞。

「鶏肉が新鮮なので、一口食べた時に弾力が違います。鶏の餌にもこだわり、臭みがないので、味付けにニンニクを使用していません。サクッと高温で揚げているので、胃にもたれず何個でも食べられます」(から揚げ研究家・有野いくさん)

続いては、ちょっと身近なあのお店のから揚げ。

スーパーのお惣菜域を超えたから揚げ

全国133店舗を展開するスーパーマーケット「いなげや」 が先月発売した「コク旨(うま)塩唐揚」。

いなげや「国産桜姫鶏むね肉のコク旨塩唐揚」225円(100g)(※全国の「いなげや」各店舗で販売)
いなげや「国産桜姫鶏むね肉のコク旨塩唐揚」225円(100g)(※全国の「いなげや」各店舗で販売)

こだわりは銘柄鶏の「桜姫鶏」を使用していること。

国産のカボスとショウガを隠し味に、北海道産のホタテエキスや淡路島産の藻塩などで味付けしている。味にも素材にもこだわった仕上がりは、まさにスーパー総菜の域を超えるから揚げだ。

「むね肉を使用しているのに、とってもジューシー。国産銘柄鶏というぜいたく素材なのに、スーパーで身近に買えるのも魅力的です!」(から揚げ研究家・有野いくさん)

続いては、超希少な部位を使ったから揚げ。

鶏1羽からたった2切れ。数量限定から揚げ

唐揚げ専門店 揚匠 しげ盛の「かた 柚子胡椒マヨネーズ味」(数量期間限定)は、鶏1羽からわずか、2切れしかとれないといわれている希少部位の肩肉、別名「むねトロ」を使用した激レアから揚げ。

唐揚げ専門店 揚匠 しげ盛「かた 柚子胡椒マヨネーズ味」オンライン価格:1750円(500g)(※各店舗・オンラインショップ・神戸市のふるさと納税で販売)
唐揚げ専門店 揚匠 しげ盛「かた 柚子胡椒マヨネーズ味」オンライン価格:1750円(500g)(※各店舗・オンラインショップ・神戸市のふるさと納税で販売)

もも肉よりも柔らかくしっとりしているため、食べた瞬間にその食感に驚いてしまう。

「ポイントは継ぎ足しの『育て油』 で揚げていること。肉汁やタレの味が溶け出た揚げ油を継ぎ足しで使うことで、熟成した旨みのから揚げになるんです」(から揚げ研究家・有野いくさん)

“有野流”絶品から揚げのポイント

ここからは家でも作ることができる “有野流絶品から揚げ”の作り方を紹介する。

<分量の目安>
・鶏もも肉…2枚
・水…200ml
・砂糖、塩…各10g
・りんご酢、ブラックペッパー…お好みの量

最初のポイントは「肉の仕込み」。砂糖と塩を1対1で溶かした水に鶏肉を20分程度つけていく。

鶏肉を砂糖と塩を溶かした水につけることで、パサついた肉でも柔らかくジューシーな肉質になるという。

2つ目のポイントは「下味」。

醤油やニンニクなど基本の下味にプラスして「りんご酢」と「ブラックペッパー」を加える。

「りんご酢」を入れることで、揚げ物でもサッパリ仕上がり、「ブラックペッパー」が良いアクセントになるという。

3つ目のポイントは「揚げ方」で、有野流の揚げ方は、低温と高温の2度揚げをすること。

低温と高温で2度揚げることで、お店のようなサクッとした揚げ上がりになる。

ちなみに、有野さんオススメの「冷めたから揚げの食べ方」はから揚げをみそ汁に入れること。

有野さんは「みそとから揚げのしょうゆが相性抜群。ぜひやってみてください!」と話した。

まだまだ底が知れない“から揚げ”。今後もどんな新しいから揚げが出てくるのか、目が離せない。

(ノンストップ!『沼から来た。』より 2023年4月26日放送)