4月に入り、春の陽気が満ちた気持ちが良いピクニックシーズンが到来。
想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」は、今回、ピクニックに欠かせないお弁当の定番「おにぎり」を調査した。
手間暇をかけすぎた「硬すぎるおにぎり」や、いちげん様お断りの「超高級おにぎり」、できたて超熱々「アツアツおにぎり」、具の大きさを追及した「ほぼ具のおにぎり」など、ナナメ上に進化しちゃったおにぎりを一気に紹介する!
まずは、いま注目の新感覚おにぎりをご紹介。
パリパリ羽つきおにぎり
まるでギョーザのようにおにぎりの周りについているパリパリの羽根。
この記事の画像(20枚)東京・台東区の『羽根つき焼きおにぎり専門店&LABAR gao』では、焼きおにぎりをプレスして焼き上げる「羽根つき焼きおにぎり」が人気。羽根部分はおせんべいのようにパリパリ、中はふっくらとした食感が楽しめる、新感覚の焼きおにぎりだ。
5種類のチーズで仕上げた“チーズリゾット羽根つき”や、隠れた人気商品という“ツナマヨ柚子胡椒羽根つき”など、様々な焼きおにぎりが販売されている。
一方、日本屈指の米どころでは、究極のシンプルさを追及したおにぎりも。
米だけで勝負のシンプルおにぎり
具も漬物もない、3種類の新潟県のお米で作られた塩おにぎりのセット。
新潟駅などで売られているこのセットは、「新潟だからできるお米に対する自信がかっこいい!」とSNSで話題となり、発売から約1年で1万5000パックを売り上げるヒット商品になっている。
新潟県内で栽培された南魚沼産コシヒカリ、ミルキークイーン、新之助の3品種で作られたおにぎりで、食べ比べを楽しむ人が多いそうだ。
シンプルで人気のおにぎりとは逆に、常識を覆し“ナナメ上”に進化しちゃったおにぎりも!
硬すぎるおにぎり
“おいしいおにぎり”といえば、ほどよい力で握られたふっくらした食感が一般的だが…、福岡の焼き肉店『七輪焼肉ばかとあほ』には、その常識を捨てた硬~いおにぎりがあるという。
実は作るのに手間暇がかかりすぎて継続して提供するのが難しいと、7年ほど前から販売を中止しているという、その名も「根性焼きおにぎり」。
それでも常連さんや熱狂的ファンなどからリクエストがあった時は、状況に応じて提供してくれるという。そこで今回、特別に作るところを見せてもらった。
まずは型崩れしないように、しっかり握ったおにぎりを七輪の上に置き、待つこと5分。
表面に焼き色が付いたら、焦げを落としてまた焼く。焼いては削って、焼いては削るを繰り返すことなんと40分!確かに手間暇がかかりすぎる…。
おにぎりの表面に白いところが完全になくなったところで、甘口しょうゆをベースとしたタレを塗って完成!
気になるその味…いや、硬さはというと、硬すぎて、文字通り全く歯が立たなかった…。
何度も何度も同じところを噛み、やっとの思いで食べると、中身はやわらかいままのお米を味わえた。
食べるのにも作るのにも根性が必要ということで名付けられた「根性焼きおにぎり」は、なぜこんなに手間暇をかけ、カチカチの硬すぎるおにぎりになったのか?
「常連のお客さまから食べたいと言うことがあって作ってみたのが最初。どこまで硬くできるんだろうと、エスカレートしてこの形になりました」(店長・雄大さん)
続いては、具材にこだわりすぎたおにぎり。
高級すぎるおにぎり
高級レストランが立ち並ぶ東京・赤坂。選び抜かれた出雲の食材を食べることができる『がっしょ出雲』には、常連客だけの限定裏メニューのおにぎりがあるという。
握っているところも企業秘密だという高級すぎるおにぎり。
一般的なおにぎりよりもやや小ぶりで、それ以外は何の変哲もないように見えるが…、一体何にこだわっているのだろうか?
「岩のりは献上のり、日本で一番貴重で一番高価な岩のり。相場は大体100gで1~2万円するんです」(『がっしょ出雲』山口哲徳さん)
のりが1万円!?そのこだわり抜いたのりは島根・出雲市周辺で採れる十六島岩海苔(うっぷるいいわのり)と呼ばれるのりで、寒さが厳しい12月から2月のわずかな期間しか採取できない貴重なもの。日本海の荒れ狂う荒波が岩場にうちつける中、人の手で一枚一枚摘み取られるという。
奈良時代に編纂された『風土記』にも出てくる、日本最古のとてもありがたいのりで作られているおにぎりのお米は、世界的な品評会で金賞を獲得したことがある出雲の「仁多米(にたまい)」を使用。
そんな出雲のこだわり抜かれた食材を使ったおにぎりのお味は…、一口頬張るだけで海苔の香りが広がり、具がないにも関わらず大満足できる一品!
ちなみに気になる値段は…時価!
コンビニのおにぎりが約50個買えるくらいが相場だという。
続いては、“できたて”にこだわりすぎたナナメ上なおにぎり職人が登場!
熱々すぎるできたておにぎり
炊きたてホヤホヤのご飯をそのまま素手で握り始めた男性。
釜の中は約90℃!熱々のご飯を苦悶の表情で握る男性は、熱々のおにぎりにこだわる料理人・たろうさん。
日本各地を回り、料理の修業をしているそうで、修業先のお店で注文が入ると、熱々のおにぎりを提供しているという。
たろうさん自身も、握る時はめちゃくちゃ熱く、我慢して握っているというが…、どうしてここまで熱々にこだわるのか?
「おにぎりの一番おいしいのは、熱々だと思うんですよね。温かいご飯を握ることによってお米がほぐれて、ホロホロになって口の中でとろける」(たろうさん)
熱々のできたてのおにぎりを作る職人には、アツアツなこだわりがつまっていた。
続いては、具材の大きさを追求したナナメ上なおにぎりが登場。
ほぼ具なおにぎり
静岡・浜松市に、インパクトがある驚きの形をしたおにぎりがあるという。
それが一見、お弁当のように見える容器…、ではなくご飯だ!
そう、実はお弁当型のおにぎり。
もはや、握ることを忘れてしまっているが…、これはおにぎりと呼べるのだろうか?
「おにぎりの延長線上なんです。おにぎりといえばおにぎり。商品名は『おに弁』。おにぎりとお弁当をミックスした名前なんです」(『自笑亭』伊藤篤社長)
大切にしたのは、お弁当のようにたっぷりのおかずを、ご飯と一緒に片手で食べられるおにぎり感。
ラインアップは秘伝のタレで焼いた静岡産の「うなぎ」をはじめ、福神漬けがのった「カレー」、さらに地元の名産を組み合わせた「しらす&三ヶ日牛」など、現在9種類を販売中だという。
数々の常識を覆す新しい形のおにぎり。天気の良い日、みなさんもナナメ上なおにぎりを持ってお出かけしてみてはいかがでしょうか。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年4月4日放送)