俳優の木村拓哉さんが1月21日、映画のヒット祈願で名古屋の熱田神宮を訪れた。その時に見学したという「信長塀」とはどんなものなのか、取材した。
1560年の「桶狭間の戦い」後、信長から贈られたまま一部残る
名古屋市熱田区の熱田神宮に1月21日、お忍びで現れたのは俳優の木村拓哉さん。現在公開中の映画「レジェンド&バタフライ」で主演の織田信長を演じていて、この日は映画のヒットを祈願し、共演する岐阜県岐阜市出身の俳優・伊藤英明さんらと参拝に訪れた。
その時に見学したのが、信長が奉納した「信長塀(のぶながべい)」だ。
この記事の画像(7枚)木村拓哉さん:
その当時からある空間・スペースに、監督と共演者と共に参拝させていただけたのは、非常に清められた感じがしてすごくありがたかったです
この信長塀について、熱田神宮でボランティアガイドを6年行っている石井浩二さんに話を伺った。
石井浩二さん:
日本三大土塀といわれる、由緒ある土塀だと思います。1560年に桶狭間の戦いで織田信長が今川軍を打ち破った。その後、こちらの方に寄贈されております
1560年、織田信長から贈られたことで「信長塀」の名前が付いた。
石井浩二さん:
圧倒的な敵に対して打ち破ったと、その要因が熱田の大神に必勝祈願したおかげだと
贈られた当初は400メートルほどあったという。参道の工事などで長さは半分の200メートルほどになったが、造りは当時のままだ。土と石灰を油で練り固め、瓦を多数積み重ねた、当時としては非常に強固な造りだという。
石井浩二さん:
当時はこれが正門でしたので、ここから先が熱田神宮の境内でした。当然、境内の守りという意味で塀は必要ですし、当時は熱田神宮も戦国時代ですから、外敵から守る意味でもこういった塀は必要だったのではないでしょうか
自分に勝利をもたらしてくれた熱田神宮を敵から守ろうと、強固な塀を寄贈したようだ。
今回、木村拓哉さんが見学したことで、塀を見に来る人もいた。
参拝客:
1年の安全祈願・健康祈願で来ました。キムタクが来たっていうからね
石井浩二さん:
土塀に立ち寄る方、木村さんと同じ位置に立ちたいということで、こちらに立って写真を撮られる方もたくさん増えました。随分参拝者が増えて活性化されていると思います
信長塀をさらに盛り上げようと、熱田区役所も新たな試みを始めている。
専用のアプリをダウンロードしたスマホを信長塀でかざすと、戦災で焼失した、熱田神宮の正門であった海上門(かいじょうもん)がAR技術で再現される。旧国宝の姿が画面に映し出されるようになり、写真も撮ることができる。
熱田区役所の担当者によると、2022年11月から始めて宣伝はしているものの広まっていないということで、木村拓哉さんのニュースをきっかけにアプリを広めていきたいと話していた。
2023年1月27日放送
(東海テレビ)