トイレタンクに注がれる水に注目したことはあるだろうか。
水洗レバーやスイッチを押すと、便器の洗浄と同時に、タンク上部の配管から20秒ほど出てくる水だ。手洗いのためにあるものだというが、この機能には気になることがたくさんある。
そもそも、タンクに手洗い場を設けたのはなぜか。トイレと一体化している印象もあり、手洗いに使用していいのかという疑問が浮かんでくる。
実際に使われているのかも気になるところだ。編集部でも使う派・使わない派が分かれて、「芳香洗浄剤を置く場所と思っていた」との声もあったほどだ。最近はタンクがない“タンクレス”のトイレも見かけるが、現状はどうなっているのだろうか。
実は日本が開発したシステムだった
そこで、トイレで有名な住宅総合機器メーカー「TOTO」に取材。トイレタンクと手洗いの歴史や衛生面を聞いたところ、意外なことも分かった。
――トイレタンクの手洗い場はなぜ生まれた?
手洗器付きのトイレは、当社が1959年~1964年に製造したものが初めてです。つまり、日本で開発したシステムになります。手洗いした水をトイレタンクに収めることで、流すための水として再利用できる仕組みになっています。トイレを広く使うことができますし、手洗器を別に作る工事代もかかりません。水が自動的に止まるため、手洗い後にハンドルを操作する必要がないので、衛生的でもありました。
――日本で生まれたのはどうして?
背景には、海外と日本のトイレの違いがあります。海外のトイレはユニットバスのような、お風呂と同じ場所にあることが多く、日本のトイレは独立した部屋となっていることが多いです。
一方で、日本の住宅はスペースが限られていたので、トイレの近くに手洗器を設置すると小さいサイズになり、窮屈で使い勝手がよくありません。それであれば、タンクの上に手洗器を作ればいいのではという、発想から開発に至ったといいます。
