蛍光灯の多くが廃棄物として埋め立て処理される中、貴重な再生資源としてリサイクルに取り組む企業がある。

株式会社サワヤに勤める麻生信二さんは、以前働いていた産廃業者で、水銀の処理方法に疑問を抱いていたという。

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「もともと産業廃棄物の処理業者にいて、蛍光灯をゴミ収集車で破砕して、水銀がそのまま埋立地に搬入されることに疑問を持っていました」

埋め立てによる環境破壊を懸念していた麻生さんは、20年前にいち早くリサイクルに取り組んでいた金沢の電気工事会社に転職。

日本で初めて捨てられた蛍光灯からガラス製品を作る事業を立ち上げた。

蛍光灯ならではの色味や質感が評判に

年間およそ340万本の廃蛍光灯を手作業で清掃し、分解、ガラス部分を破砕して特殊な機械で水銀を取り除く。

破砕したガラスを高温で加熱して、付着した水銀を気化させた後、急速冷却して金属水銀として回収する。

こうして誕生する高品質なリサイクルガラスの原料を使い、自社のガラス工房で装飾用のブロックや壁材などを製作しているのだ。

工芸用のガラスより硬く、鉄分を含む蛍光灯ならではの色味や質感が評判を呼び、ホテルや商業施設を彩っている。

このブロックを店内の装飾に使っているアパレル会社の広報は「約9000本の蛍光灯を使っていますが、みなさん驚かれます」と話す。

役目を終えた蛍光灯がもう一度輝く。

麻生さんは、「僕は子供に誇れないことはしないと決めているので、それに恥じないような取り組みをやっていかないといけない」と話した。
 

株式会社サワヤ
https://www.308-al.co.jp

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