交通が不便な地域で災害が起きたとき、自分が持っている車がすぐに使える状態にあるとは限らない。場合によっては、車が損傷していることもあり、生活が不自由になってしまうこともある。
日本カーシェアリング協会で代表理事を務める吉澤武彦さんは、会社員を経て、東日本大震災の直後から被災地で支援活動をはじめた。
「きっかけは、東日本大震災。津波で車を失った方々は、買い物にも通院にもいろいろと支障が出て大変な状況に陥りました。車をみんなで使えるような仕組みがあれば、本当に助かるだろうなと思いました」
ボランティアリーダーからの提案も得て
吉澤さんが師匠と仰ぐ、元神戸元気村創設者の故・山田和尚さんからの提案で、約6万台の車が被災した宮城・石巻市でカーシェアリング事業を開始した。

企業から寄付された車の運用を地域の利用者の会「お茶っこの会」に任せ、車の予約や経費の分担などを話し合いで決める仕組みも作った。
運転手も会のメンバーが務め、予定を合わせて買い物や病院へ向かう。震災で失われた地域のコミュニティーを再構築するきっかけにもなった。
利用者は「私が住んでいる復興住宅に知り合いがいなかったの。車の中でもいろいろな話をしてすごく楽しい」「視覚に障がいがあるので、すごくありがたい」と地域の支えになっている。

災害時は無償で車を貸し出し、今や利用者は全国で1400人以上(2025年8月末時点)。
支え合って、“交通弱者ゼロ”の社会に。
「車を寄付するという選択をしてもらえたら、たくさんの方々を助けることができる。災害が起こっても、生活で困窮しても、車の支援が受けられるような社会をしっかり作っていきたい」
SDGs
SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。
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「フューチャーランナーズ~17の未来~」
次回11月26日(水)23時24分-23時30分放送
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