新潟県三条市の企業などが中心となって進めているベトナムへの技術支援。現地での製品開発やテストマーケティングにホーチミン市にあるアンテナショップを利用するなど、新たな試みが始まっている。アジアの新潟県人会などの協力をもとに取材した。

現地との交流で新たな商品開発も

ベトナム・ホーチミン市から車で2時間ほどのところにあるベトナム南部の都市バリア・ブンタウ省。南部のリゾート地としても有名なバリア・ブンタウ省は多くの工業団地があり、日本を含む外国の企業が進出している。

ベトナムのバリア・ブンタウ省
ベトナムのバリア・ブンタウ省
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2013年から三条市内の企業は商工会議所や市などと連携。JICAの事業を通じて、金属加工の技術やブランド構築のノウハウをバリア・ブンタウ省の企業に提供している。

その事業の一環で10月、バリア・ブンタウ省への支援をさらに加速させるための新しい施設・産業振興センターが完成し、三条市の滝沢亮市長が視察した。

また、滝沢市長はバリア・ブンタウ省人民委員会を表敬訪問し、人民委員会の委員長と協力関係の強化について意見を交わした。

三条市・滝沢亮市長(左)
三条市・滝沢亮市長(左)

三条市の企業などは現地の企業と新しい施設を活用しながら、ベトナム人が使いやすい製品の開発や互いの経済交流の強化を目指す。

ものづくりの技術をきっかけにして結ばれる三条市とベトナム。新型コロナウイルスによる入国制限で遅れていた今回の事業は、ようやくスタートすることができた。

ベトナム・ホーチミン市に出店しているアンテナショップ
ベトナム・ホーチミン市に出店しているアンテナショップ

三条市内の企業が新たな施設を利用しながら現地でブランドを確立し、ベトナムでの販路の拡大を狙う中で、重要な役割を担うのがホーチミン市にあるアンテナショップだ。

2019年に燕三条貿易振興会がホーチミン市に設けた燕三条ショップ。こちらのショップは燕三条製品の展示・販売するだけでなく、体験型のイベントなどを開催できるようにスペースが設けられ、ベトナムで新たに開発した製品の展示やテストマーケティングの場としての活用も検討されている。

今回の事業に参画している三条市の企業の担当者は「2つの施設を活用しながら、ベトナム企業との交流を深めていきたい」と話している。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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