銃撃を受けて亡くなった安倍元首相の国葬について、市民団体が、国葬を実施することの閣議決定と、その予算執行の差し止めを求めて、東京地裁に仮処分を申し立てたことが分かった。団体のメンバーが、きょう午後、記者会見を行い、明らかにした。

申立書によると、国葬の閣議決定と予算執行は「思想良心の自由を定めた憲法に違反する」と主張。「国民の代表である国会議員による審議を行い、予算の議決をするのであれば、国民合意を形式上、得たことになるが、岸田首相は、閣議決定だけで、急ぎ、国葬を挙行しようとしている」として、仮処分の申し立てに及んだという。

団体のメンバーは、会見で、「国会で審議しなければいけないのに、議論をせずに決めて、国民の総意に基づいていない」と述べた。閣議決定と予算執行の差し止めは「前例がない」という。来週にも、申立人と被申立人の双方から意見を聴く「審尋」が行われる見通し。また、仮処分申請ではなく、正式な行政裁判も起こす予定だという。

安倍元首相をめぐっては、9月27日に、東京・千代田区の日本武道館で行う方向で最終調整が進められていて、あすにも閣議決定する予定。国葬では、自衛隊の儀仗隊によるセレモニーなども検討されているという。国葬の費用は、国の儀式として全額国費で負担することになっていて、首相経験者の国葬は、1967年の吉田茂元首相以来55年ぶりになる。