高い場所から撮影された、「山P」と読める人文字の写真。退官する幕僚長のために、海上自衛官たちが撮影したものだといいます。しかし、この写真は北朝鮮による弾道ミサイル発射当日に撮影されたものでした。
なぜこの日に撮影したのか、物議を醸しています。

北朝鮮が弾道ミサイル発射 当日に人文字撮影…その背景は

めざまし8は、前幕僚長の先輩を独自取材。撮影の背景が見えてきました。

「山P」と書かれた人文字。整然と並んでいるのは、およそ200人の海上自衛官です。この「山P」とは一体なにを表しているのでしょうか。

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山村浩 前海上幕僚長:
海上幕僚長として勤務できたことを誇りに感じています

3月末に退官した、海上自衛隊の元トップ・山村浩 前海上幕僚長です。

海上幕僚監部によると、この写真は3月16日、退官する山村前海上幕僚長のために、本人に事前に相談した上で、東京・新宿区の防衛省の中の広場で撮影されたものでした。しかし、それが、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したおよそ2時間半後に撮影されたものだったと、「週刊文春」が報じたのです。

街の人:
別にそのタイミングでやらなくてもよかったのでは…
街の人:
皆さん、(仕事を)分担されていると思うので、そこまで批判的な立場とか気持ちではないです

物議を醸している今回の集合写真。元陸上自衛官の“ヒゲの隊長”こと、自民党の佐藤正久参院議員は…

元陸上自衛官 佐藤正久参院議員:
現場の方は北朝鮮のミサイル警戒のために体制を強化している最中なので、タイミング的にはどうかなという指摘はあるかと思う

2月27日には、北朝鮮が日本海に向け弾道ミサイルを発射。3月5日にも弾道ミサイルが発射されるなど緊張が高まっていました。
写真が撮影された3月16日のミサイルは、飛翔せず失敗したと見られていて、海上幕僚監部は「各種情報を確認し、総合的に判断した上で即応態勢を取りつつ、昼休みに短時間で撮影した」と説明しています。

めざまし8は、山村前海上幕僚長の先輩で、当時の様子を知るという元海上自衛隊・海将の伊藤俊幸さんを取材。撮影当時の詳細が分かってきました。

「昼休みの10分で撮影 時間消費と蜜を避け「村」→「P」に

金沢工業大学 虎ノ門キャンパス教授 元海上自衛隊 海将 伊藤俊幸さん:
(ミサイルに関する)会議は午前中に終わっているんです。これは昼休みの10分間を使って撮影している。自衛隊の文化です

伊藤さんによると、この撮影は部下たちが企画したもので、昼休みを使って行われたものだといいます。しかし、なぜ「山村」ではなく、「山P」で人文字を作ったのでしょうか。

金沢工業大学虎ノ門キャンパス教授 元海上自衛隊 海将 伊藤俊幸さん:
我々先輩はみんな(あだ名で)『山P』って言ってましたよ。(当時は)本当は『山村』というふうに書こうとしたらしいんですよ。でも、『村』を書くとさらに人の数が増えるでしょう。
(本人が)『P』の字なら簡単に出来るから それでいいよって言ったそうです。

「P」ならば時間がかからず、隊員同士で密にならないという判断があったといいます。撮影された写真は、山村氏と希望者に配られたということです。

(めざまし8 4月22日放送)