3月23日からフランス・モンペリエで開幕する世界選手権。

開幕を直前に控えた公式練習後のインタビューで、宇野昌磨、鍵山優真、友野一希がシーズン最後の締めくくりとなる大会への意気込みや思いを語った。

【宇野昌磨】ステファンが満足できる演技をしたい

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――ものすごく状態が良さそうに見えますが、いかがですか?
今日までオリンピックが終わってから、自分のやりたい練習をこなせたと思いますし、練習に関しては全く思い残すことが少しもないという練習で、この試合に臨むことができています。

――シャンペリーでも練習されたと思いますが、どんな練習を積んできましたか。
今年フリープログラムを4回転5本構成で、自分の中で挑戦という思いで1年間やろうと、できなくてもどんな時でも挑戦し続けようと思っていました。

それがやっと自分の標準や基準になり、はじめは通すことが精一杯だったんですけど、(鍵山)優真くんの練習を見たり、オリンピック終わってからいろいろな選手の練習の仕方を見て、あまり僕がやっていなかったもの、それはプログラムを個別にフォーカスして練習するということで、オリンピック終わってから練習に励み、いつも気持ちで乗り切っていた部分、自分のできていない部分が明確になり、良い練習ができていたと思います。

――かなり手ごたえと自信を持って臨めている?
手ごたえはありますけど、自信は全く持っていないです。もちろん、状態が良いというのはありますが、状態が良いからといって試合ができるとは思っていないので。本当に今日までの練習はすごくよかったと思っています。

あとはこのプログラムが今年はこれで最後になってしまうので、この構成を来年以降もたくさんの試合に出て、僕はフリーでミスをする癖がこの4年間で間違いなくついていると思うので、試合での自信を試合でつけられるように、この試合でとは言いませんが、どこかの試合でつけられたらと思います。

――手ごたえは、キャリア通じて一番くらいですか?
そう思います。これまでで“一番今シーズンが良かった”と思えるシーズンでしたが、まだまだこれからも良くなる、もっとうまくなれる自信もあるので、もちろん今回の大会もどうなるのか楽しみではありますけど、自分の今後が楽しみな気持ちもあります。

――世界選手権で成し遂げたいことはありますか。
特に何かを成し遂げたいことは自分の中にはないです。ただ、ボレロはステファンコーチが作ってくれて、一週間ではありますけど、世界選手権の前に一緒に練習しました。ステファンもかける思いが強いと思うので、もちろんジャンプが良ければ良い演技とされるのは分かっていますが、ステファンがどんな形であれ満足する演技ができればと思います。

――今シーズンの締めくくりとなりますが、どう終わりたいですか。
今年はなかなか試合を楽しむ余裕を、楽しめる状態で余裕があるフリーを滑られていないので、この大会は少しでも自分が楽しめる余裕が出るといいなと思うんですけど、どんな形であれ“ステファンコーチが満足してくれれば”と思います。

【鍵山優真】ガッツポーズをしてスッキリした演技を

――モンペリエに来て2日間練習して、手ごたえや感触はいかがですか。
すごく良い会場で、氷の感触も昨日は少し柔らかかったんですけど、お昼に食事するところで髙橋大輔くんが「めっちゃ硬くなっている」と言っていて、「え、そんなに硬いの?」と思ってきたんですけど、スイスイ滑れてジャンプも良い感じでした。疲れは今はないので、この調子で頑張りたい。

――疲れを感じないくらい駆け抜けたいと話していましたが、やり切りたい思いですか。
オリンピック終わって、最初は全部出し切ったから、モチベーションとか下がるのかと思ったんですけど、そんなことはなくて。中京(大学)でも(宇野)昌磨くんと一緒だったり、自分のやるべきことをしっかり頭の中で考えていたので、ガンガン練習することができたと思います。

――今日も日本の男子選手は良い曲かけだったと思うのですが、それが刺激になりますか?
昌磨くんも(友野)一希くんもずっと一緒だったので、楽しいっていうのもありますが、燃えてバチバチに練習できてすごく楽しいです。

――世界選手権に向けて一番ブラッシュアップしてきた部分はありますか。
ジャンプはオリンピックが良かったのでこの調子でという感じで、ステップやスピンのレベルの取りこぼしがないように、細かいところまで練習したり、スケーティングの部分を伸び伸びと滑れるように練習してきました。

――金メダルへの思いはどうですか。
今のところはあまりメダルについて考えていなくて、自分のやるべきことをやれば、それなりの結果と点数はついてくると思うので、自分のやるべきことを一番に、集中して頑張りたい。

――その力を出し切るにはどうしたらいいでしょうか?
これ以上求めないこと。オリンピックが自分の中では割と良かったので、これ以上求めるといろんなことをムダなことまで考えてしまうので、“いつも通り”をテーマに頑張りたい。

――オリンピックシーズンの締めくくりです、どんな演技がしたいですか。
もちろん、最後なのでガッツポーズをして、スッキリした演技ができるように頑張ります。

【友野一希】世界選手権に覚悟を決めてきた

――世界選手権に来ましたね。
来てしまいました。

――練習が終わってどうですか。
午前午後と少しずつプランタン杯に比べたらジャンプもまとまってきて、午後の練習は良い練習が積めたと思いますし、午前は気持ち的にもフワフワしていたところがあるんですけど、しっかり落ち着いて、今までのこの4年間の経験が自分の中で活きているなと感じながら滑れました。

周りの空気も流されずしっかり自分に集中して練習に取り組むことができたので、良い練習が積めたのかなと思います。

――オンラインでお話を聞かせてもらったときは「なんだか分からない感じ」だと言っていましたが、今はどうですか?
あれからしっかり覚悟を決めてきたので、覚悟が決まってからは早かったので、内容はあまりよくなかったですけど、プランタン杯の時も落ち着いて結果を受け止めて、次に向けてって気持ちになっていたので、疲労感もなく、調子も上がってきました。

世界選手権に行くと決まった日から気持ちがスッと締まって、世界大会や大きな国際試合の気持ちに切り替わったので自分でもビックリしました。驚くほど冷静に練習できています。

――4年前の映像を観ましたが、確実に上手くなっています。4年間の成長を見せてほしいです。

それを感じながら、今日の練習は楽しんでもいいかなと思いつつ、自分で“成長したな”と思いながら滑れましたし、一番は周りに驚かなくなったこととや、自分に自信がついてきたのが練習していて驚きました。この4年間の成長を感じながら練習ができていたので、それを試合でも出したいですし、一番は試合で結果を残して“自分が成長したことを証明したい”です。

――「史上最高のシーズンにする」と言っていましたが、改めてどうやって締めくくりますか。
「まだ終わってねぇぞ」と。何かが「まだ終わってねぇぞ」と訴えかけているのかなと思いました。

四大陸選手権が終わって気が緩んでいたところがあるので、「今シーズンは終わっていない」と言い聞かせてます。「史上最高を出せているか」と言われれば出せてないので、最後の最後でしっかり決めて自分の史上最高を出せればと思います。

男子ショートプログラムは3月24日(木)夜10時から行われる。

世界フィギュアスケート選手権
フジテレビ系列で3月23日(水)から4夜連続生中継(一部地域を除く)
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/world/index.html

フィギュアスケート取材班
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