新型コロナの影響でさまざまな産業・分野が打撃を受けているが、愛媛の主な産業でもある水産業もそのひとつ。
そんな厳しい状況の地元の水産業を盛り上げようと、頑張っている女子高校生がいる。
マグロにハモ、奮闘する高校生たちを取材した。

マグロの解体ショー…実は女子高生が

2人の女子高校生が一生懸命運んでいるのは、重さ45kgもある宇和島産の養殖マグロ。こんなに重いマグロを女子高校生たちがなぜ運んでいるのか。

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女子高校生たち:
わたしたち「フィッシュガール」です!

実はこの2人、ふつうの高校生ではない。
宇和島水産高校の「水産食品研究部」の女子部員が、各地のイベントでマグロの解体ショーなどを披露して愛媛の魚をPRする「フィッシュガール」なのだ。

その活動は3年生が中心で、卒業後は後輩が新たに引き継ぐという形で10年近くにわたり続いてきた。

3月1日に迎えた3年生の卒業。
ところが活動を引き継ぐ1、2年生がなかなか見つからず、フィッシュガールは一時、存亡の危機を迎えていた。

卒業した3年生・早川海琉さん:
今後、大丈夫かなと不安がたくさんあった中でも、1年生がこうやって活動してくれるっていうことが、すごい先輩としてうれしいです

「コロナ禍で厳しい地元・宇和島の水産業のためにも、今こそ立ち上がりたい」フィッシュガールとして活動したいと名乗り出たのが、1年生の兵頭優衣さんと山下咲良さんの2人だった。

この日は学校で、フィッシュガールにとってメインの活動となるマグロの解体の練習。
解体を担当するのは兵頭さん、手にしているのは包丁ではなく、なんとノコギリ。
まずは、胸ビレや頭などを大胆に削ぎ落とす。

兵頭優衣さん:
取れました!

山下咲良さん:
普通の小型の魚と比べて大きいので、片身を2つに割るんですよ。今は腹側の身を骨から取り外していく作業をしてます。ここ見どころなのでぜひ見てください

一方、解体ショーで解説を担当する山下さん。切る場所を確認しながら、丁寧に身を外していきます。

兵頭優衣さん:
この「中落ち」取るのが優衣好きなんよな

山下咲良さん:
私も大好き!マグロの解体で唯一安らげる時間

兵頭優衣さん:
そう!一番この時間が楽しいんで

山下咲良さん:
ご飯を想像する

兵頭優衣さん:
そう!これがおいしいところなんよね

山下咲良さん:
どんぶりね

兵頭優衣さん:
そう!ご飯の上にのっけてね、しょう油かけて食べたらうまいよね

最後に背骨を取って、見事、解体完了。

兵頭優衣さん:
もう疲れたしかないです。1匹おろすだけでも体力めっちゃ使うし、腕がパンパンで本当に腕が筋肉痛なんですよ、次の日は

山下咲良さん:
まずは先輩に追いつく解説、周りの人が楽しんでくれる解説をして、それからさらに上に、もっと先輩を超えるような今までにない解体ショーにできたらいいなと思っています

行き場を失った"ハモ"を救う女子高生

伊予市双海町にある下灘漁港。水揚げされているのは、全国有数の生産量を誇るハモ。
新型コロナによる打撃は、伊予市のハモも例外ではない。

京都の料亭などでの需要が落ち込み、取引価格が例年の5分の1にまで落ち込んでいる。
ここでも宇和島水産高校水産食品研究部の女子高校生たちが立ち上がった。高校生たちが開発したのは、簡単にハモ飯が作れるという缶詰。

缶詰に入っているのは、ぶつ切りにしてしょう油やだしに漬けたハモの身。
お米と一緒にそのまま炊き込むと簡単に「ハモ飯」のできあがり。
双海産のハモの新たな販路拡大を目指し、2020年8月から開発をスタート、2月についに完成した。

最初にアイデアを出し、高校生たちとタッグを組んで開発を進めたのは双海の地域おこし協力隊の上田沙耶さん。

地域おこし協力隊・上田沙耶さん:
今は京阪神に全部行って、双海っていう名前じゃなくなって、双海産とかないので、もっと自分で商品を作って、双海のハモっていうのを押し出していきたいと思ったからですね

田中優さん:
こんなきれいな海で捕れるハモだし、自分たちがよりおいしいものを作って売り出すことができたらっていう思いが、実際に行ってさらに強まりました

倉本愛梨さん:
一番最初に見た時は歯がとがっていて怖いなって思ったんですけど、何回も何回も見るうちにかわいいなって思って

せっかく作るなら「全国で売れるもの」にしたいと、製作の過程で試作したのはなんと6種類。試行錯誤を重ね、半年がかりで完成した「ハモ飯の素」。
おいしいだけでなく、実はメリットもある。

福吉貴文アナウンサー:
骨切りなしということなんですが、骨が入っている感じがしないですね。すごく食べやすいです。缶詰にしたら骨が気にならないんですね

倉本愛梨さん:
骨まで食べられるのが缶詰の特徴なので、ちょうどハモにあっているなと思います

高校生たちが作ったハモの缶詰は、JR下灘駅前で開催される産直市などで販売される予定。
マグロの解体にハモの缶詰…コロナ禍で苦境の地元・愛媛の水産業のために、女子高校生たちが頑張っている。

(テレビ愛媛)