熊本市でバー『マルベリー』を経営する徳丸純二さん(66)は48年間に及ぶバーテンダー生活を終え「これからは農家として生きていきたい」と新たな歩みを始めます。

「いろいろなお客さんと話せる。毎日が楽しいから続けられたと思う」と話す徳丸さんは、いくつかの店で修業したのち、この店へ。

その後、経営を受け継ぎ「35年やったら先代と合わせて50年になる。それでひとつの区切りをつけよう」と続けてきました。

一緒に旅行したり、ゴルフをしたり…多くの客から愛された楽しいバーテンダー人生だったと振り返ります。

今年6月に引退するはずでしたが、新型コロナの影響で11月まで延期。

11月28日、バーテンター生活最後の日は、常連客や元従業員たち、近所のバーの店主、さらには若いころ店に通っていたという男性も鹿児島から来て徳丸さんとの別れを惜しみました。

7月、徳丸さんは山鹿市菊鹿町の知り合いの田んぼを借りて田植えをしました。

「無農薬の安全な米を作り続けたい」というのが目標。

「お客さんたちと、ずっと餅つきをやってきて、じゃあ、もち米から作ろうと。そこから始まって10年。

農業の面白さが分かった。農家の出なのに農家の仕事を全然知らなかった」と徳丸さん。中学からの同級生である建山光一郎さんが「一から機械を揃えたりとか考えているなら、ちょっとどうかなと思うが…。やるというならしょうがない。だんだん上手になってきた。やっぱり自分で植えんとね」と見守ります。

マルベリーの30年記念誌に、こんな詩が載っていました。

『ふり返る ときの早さと 前を見る 明日の長さの中に一瞬の喜びを感じながら又 明日へ足をふみ出す 次の喜びを求めて 選ぶ道はやはり けわしい道がいい』。

徳丸さんは「(農業は)簡単にはいかないだろうと思う。しかし、これを自分のものとし、次の若い人たちにバトンタッチするスタートにしたい」と明日を見据えます。