バイデン候補が天王山・ペンシルベニアでも19,584票リード。今朝、9時過ぎの開票経過である。

日本時間の昨夜6日午後11時前の発表で、バイデン候補は遂にトランプ候補を捉え、わずか5,587票だったが初めてリードした。そして、その後、着実に差を拡げている。

その他の激戦州・ジョージアでも4,266票、ネヴァダ州で22,657票、アリゾナ州では少し縮まったのだが38,455票、いずれもバイデン候補がリードしている。

数字はCNNのまとめを引用した。

ちなみにアリゾナはフォックス・ニュース等が既にバイデン勝利と報じているもののCNNやワシントン・ポスト紙等は未だ帰趨不明と判定している。

勿論、まだ開票は終わっていないし、終わる目処さえはっきりしない州もあるので、再逆転の可能性はゼロとまで断言できないが、情勢はバイデン氏圧倒的有利である。

超僅差のジョージア州ではまだ開票されていない海外駐留軍人票次第でトランプ候補がひっくり返す可能性も正直まだ否定できないのだが、その他の州では、残る票の多くが民主党支持者の多数が利用した郵便票であることを考慮すると、ゴールは、ひとまず、バイデン氏の目前に来ていると言ってよい。選挙人の過半数・270人の獲得はすぐそこなのである。

しかし、ひとまず、と言ったのには訳がある。

ペンシルベニアの差は率にすると現在約0.3ポイント、ジョージアはそれ以下の僅差である。

ややこしいことに規定は州ごとに異なるのだが、ペンシルベニアでは0.5ポイント未満の差に終わると自動的に再集計となるし、ジョージアでは0.5ポイント未満の差だと2位の候補が再集計を求めることができる。また、州政府の判断でそうすることもできる。更にネヴァダ等でも陣営が再集計の請求可能である。

そして、このうちジョージアでは既に州政府の責任者がそうなる見通しを示しているし、バイデン勝利と判定されたウィスコンシン州ではトランプ陣営が再集計を求める考えを示している。

つまり、開票作業が一旦無事終わっても、このままの流れだと複数の州で票の数え直しが始まる可能性があるのである。

そして、そうなれば混迷は更に深まる。

ただし、、、ここからは更に仮定の話になるのだが、そうならない可能性もある。

ペンシルバニアで票差が0.5ポイント以上に拡がると再集計は自動的には始まらない。それでもトランプ陣営が再集計に持ち込む方法は無い訳ではないのだが、そこまでやっても数え直しで逆転する可能性は低くなる。そして、ペンシルベニア州で負けると、手練手管を駆使して他の激戦州で逆転しても、トランプ候補は過半数の270に届かない。つまり勝ち目は限りなくゼロに近づくのである。

トランプ氏のこれまでの言動を顧みれば、にわかには信じ難いのだが、もしも、、、繰り返す、もしも、そうなれば流石のトランプ氏も矛を収める可能性が出てくるという見方が出始めているのである。

しかし、依然、予断出来ない。先行きは不透明のままである。

二関吉郎
二関吉郎

生涯“一記者"がモットー
フジテレビ報道局解説委員。1989年ロンドン特派員としてベルリンの壁崩壊・湾岸戦争・ソビエト崩壊・中東和平合意等を取材。1999年ワシントン支局長として911テロ、アフガン戦争・イラク戦争に遭遇し取材にあたった。その後、フジテレビ報道局外信部長・社会部長などを歴任。東日本大震災では、取材部門を指揮した。 ヨーロッパ統括担当局長を経て現職。