理想の睡眠時間は7〜8時間

具体的にどのくらい眠ればいいのでしょうか。理想的とされているのは「7~8時間」です。米国睡眠医学会および睡眠研究学会は2015年に、「健康な成人(18~60歳)は健康維持のために1晩あたり7時間以上の睡眠を確保すべき」という指針(コンセンサス)を発表しました。

世界中の数多くの研究によって、日中のパフォーマンスを高めるために最も適した睡眠時間は「1日7~8時間」だと示されています。

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があることをご存じの方も多いでしょう。私たちが眠りに入ると、まずは深いノンレム睡眠がみられます。

このとき脳内では「脳の老廃物の掃除」が行われます。昼の活動によってたまった老廃物(タンパク質の一種であるアミロイドベータなど)が、脳脊髄液(CSF)によって洗い流され、掃除されることが研究によって明らかになってきています。

十分な睡眠を取ることで感情も安定する(画像:イメージ)
十分な睡眠を取ることで感情も安定する(画像:イメージ)

深いノンレム睡眠をしっかり取れないと、脳内に老廃物がたまって働きが鈍い状態のまま翌日を迎えることになります。

睡眠が後半になるにつれて、レム睡眠が多くみられるようになります。レム睡眠のとき、体は休息していますが脳はむしろ活発に活動しています。

このときに行われるのが「感情コントロール機能の回復」です。前頭前野のほか、感情の処理に関わる扁桃体という部位へのネットワークが活性化し、翌日のメンタルを安定させると考えられています。

レム睡眠の持続時間は朝方になるにつれて長くなります。

つまり、ある程度長い時間寝ないと、感情のコントロール機能の回復が行われるレム睡眠が十分に得られません。その結果、ちょっとしたことでイライラしたり、不安になったり、落ち込んだりしやすくなると考えられます。