寝ている間に記憶が定着する

また、ノンレム睡眠とレム睡眠を通じて行われるのが、「記憶の整理と定着」です。私たちが勉強したことや経験したことは、一時的に脳の「海馬(かいば)」という場所に保管されます。

ただし海馬の容量には限りがあるため、記憶や情報は私たちが寝ている間に脳の長期保存庫である「大脳新皮質(だいのうしんひしつ)」へ移動され、整理・保存されます。このプロセスを経て初めて記憶は定着します。睡眠不足だと、この記憶の定着も十分に行われないことになります。

「睡眠時間を増やしたら仕事や勉強をする時間が減ってしまう」と心配になる人は、時間を量ではなく質で考えてみることをおすすめします。

例えば、睡眠不足の頭で、効率が上がらずに3時間かけて資料を作るのと、ぐっすり眠って冴えた頭で1時間で終わらせるのとではどちらが生産的でしょうか。

もちろん後者ですよね。睡眠時間を確保することで、仕事に使える時間が物理的に減っても、集中力と処理能力が劇的に向上すれば、トータルの成果はむしろ上がると考えられます。

『なぜ、あなたは時間に追われているのか「時間がない」から解放される15の仕組みと思考法』(日経BP)

吉川ゆり
Mental Breakthrough Coaching(TM)スクール代表。社会を変える土台としての「人の変化の構造」を体系化し、経営者・リーダー・医療者・教育者・芸術家など変化を起こす人材を育てている。

吉川ゆり
吉川ゆり

Mental Breakthrough Coaching™スクール代表。社会を変える土台としての「人の変化の構造」を体系化し、経営者・リーダー・医療者・教育者・芸術家など変化を起こす人材を育てている。サンフランシスコ在住、大阪大学人間科学部卒業後、米国に留学し国際行政学修士号取得。ハーバード大学エクステンション・スクールで認知神経科学を履修。米国金融業界にてメガバンクのヴァイスプレジデント、フィンテック企業のシニアディレクターを歴任後、コーチとして独立。現在は国内外の管理職・経営者・専門家に向けて、変容型リーダーシップと人間成長の技術を提供している。