一部の猛烈な反対によって、大手コーヒーチェーン・スターバックスの誘致が実現しなかった静岡市の城北公園について、難波喬司 市長は6月4日、再整備案を公表した。この中で、当初計画よりも規模は縮小させるものの、改めてカフェを設置する方針を明らかにしている。

市民に親しまれる“だれもがいこえる公園”

“だれもがいこえる公園”をコンセプトに、1978年から整備が始まった静岡市葵区の城北公園。

1980年に一部が供用開始となり、1985年には全体が開園した。

賎機山や竜爪山といった山々や富士山が眺望できるため、その風景を借景として取り入れるよう計画され、園内には直径19メートルの大きな花時計をはじめ、水の広場や日本庭園、自由広場などがある。

このため、緑とオープンスペースを備える公園として、長年にわたって市民に親しまれている。

開園40年 課題も浮き彫りに

一方、開園から40年が経過する中で施設が老朽化し、樹木の手入れや除草、修繕などに要する維持管理費は人件費の高騰もあって年々増大。

市は樹木の剪定範囲を絞った上で、隔年で実施したり、清掃や除草の回数を減らしたりと支出が膨らまないよう対応しているが、これ以上の経費削減は厳しい状況となっている。

また、駐車場がないことからアクセス面でも課題を抱えていた。

再整備の核は“スタバ誘致”

こうした中、市は2020年、城北公園の再整備に着手する方針を公表。

民間のノウハウを取り入れ、公園の魅力と利便性の向上を図ると共に持続可能な管理運営体制の構築を目的に事業者を公募し、敷地内に駐車場や子育て支援施設の整備を提案した複数の民間企業で構成する事業グループの計画が採用された。

中でも目玉として期待されていたのが大手コーヒーチェーン・スターバックスを誘致する案だ。

一部が強固に反対 スタバが尻込み

しかし、計画を実現するためにはクスノキやケヤキといった樹木を100本以上伐採する必要があり、一部が強硬に反発。

見直しを求めるため市民団体を立ち上げ、2021年6月に開かれた現地での説明会に参加したひとりは「(伐採は)とんでもない!絶対反対!」と憤りを見せた。

これにより、同月に予定されていた着工は延期され、10月には市などがカフェ部分で計画されていたドライブスルーをやめ、伐採する樹木を15本以上減らす考えを表明。

ただ、それでも納得できない市民団体側は12月に見直しを求める署名を田辺信宏 市長(当時)に提出すると、2022年3月には「市民の意見を聴かずに進めた計画は市条例に反する」として、事業の差し止めを求め住民監査を請求した。

こうした動きを懸念したからか、翌4月に明らかになったのがスターバックスの出店辞退だ。

スターバックスは「地域との共存」を掲げているだけに、反発の声を受けて判断したと見られている。

シン整備案の中にもカフェの文字

住民監査請求は棄却され、その後、一部の住民は工事実施に向けた協定締結の差し止めを求め提訴もしたが、2024年3月に静岡地裁が請求を棄却。

計画が再び動き出すに至る。

そして、一部住民の“反対運動”から5年。

2026年6月4日、難波市長は城北公園の再整備案を公表し、この中で再びカフェを設置する意向を示した。

提供:静岡市
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2024年10月から11月にかけて実施したアンケートで市民の約8割がカフェを望んだという。

とはいえ、「大きなものはいらない」という意見が多かったことから、規模は当初計画から縮小し、ベビーカーや車いすの利用者にも配慮してバリアフリー設計に。

あわせてコミュニティスペースも整備する。

提供:静岡市
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また、樹木についても老朽化した木以外は伐採しないと断言した。

市は6月中旬からパブリックコメントを募り、8月上旬に再整備計画を決定するとしている。

テレビ静岡
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