霧に包まれた富士山の5合目。
約3週間後の7月1日に本格的な山開きを迎える富士山。

6月9日に取材班が現場に行くと登山道の入り口には、日本語や英語、中国語など多言語で通行禁止を知らせる看板や壁が設置されていて、厳戒態勢がとられていました。

富士山5合目から山頂までの登山道は、道路法の規定により通行禁止となっています。

しかし、9日も取材中、登山をする外国人観光客が次々と姿を見せました。

カナダからの登山客:
山頂まで10時間と予想されていたけど、6時間半か7時間で登り切ったよ。GPSがあるから万が一、何か起きても備えは万全さ。

取材班に声をかけてきたのは初めて富士山に登るというスペイン人の男女。

富士山はいま、登山できないことを伝えますが「私たちは山岳ガイドで彼は私のパートナーです。登ったり下りたりするための知識もあります。何より重要なのは引き返すタイミングを見極めること」と話しました。

登山道をふさぐバリケードが引き返すタイミングになるかと思いきや「富士山は私が登るべき山。3時間で登って2時間で下りてくる(Q. 登山は許されていないが?)こんなの簡単よ。登っても危険なところなんてないと思うわ。登山というよりハイキングみたいなもの、もう行かないと」と、取材班の注意を振り切り登山というよりハイキングと言い残し、登山道へ。

設置された壁が立ちはだかりますが壁の横をするりと抜け、2人は消えていきました。

閉山中の登山禁止について外国人観光客はどう思うのでしょうか。

外国人観光客は「しっかりと準備して、ちゃんとした装備があれば問題ない」「気をつけていれば大丈夫だと思う」「閉まっていたらルールに従って登らない」などと話しました。

毎週富士山に来ているという男性は、コスプレ姿で登山する外国人を見たといいます。

冬山の富士山で遭難者が相次ぐ現状に、怒りの声を上げたのは静岡・富士宮市の須藤市長。

静岡・富士宮市 須藤市長:
閉山中に行くということは冬山があるから、雪が。危険なところに登山するのは遭難の恐れが十分ある。登山家の人々はよく「山があるから登るんだ」と言っているが、それは自分たちの勝手であって。登っては困るという私たちの立場も理解してほしい。

山梨県警が公開した実際の救助映像には、4月下旬に雪が残る山の斜面で滑落し、顔面骨折した女性を数人がかりで運ぶ救助隊。
強風が吹きすさぶ極寒の中、滑り落ちないよう細心の注意を払って救助する様子が確認できます。

山梨県の反対側、静岡県でも2025年は45人が遭難しそのうち9人は開山期以外でした。

こうした救助活動の費用は自治体が負担していることから、須藤市長は閉山期の救助の有料化を訴えています。

静岡・富士宮市 須藤市長:
罰則をもう少し厳しくしてほしい。(救助は)あくまで自己負担だというふうに変えてもらいたい。国に法律を変えていただきたい。遭難して何とか助けてくれって、費用はあんたたち持ちだよって。そんな考え方もってもらっちゃ困る。

さらに、一部の登山家から閉山中の登山に理解を求める署名活動があることに対しては「登山家は夢があり富士山に登ることは誇りに思うかもしれないが、地元としては迷惑な話。助けに行く側も命懸けなのでやめてもらいたい」と述べました。

約3週間後に迫った富士山の山開き。

ルールを守った登山が求められています。