“野菜ソムリエ上級プロ”で“果物ソムリエ”の堀基子さんが、旬の野菜と果物のおいしさを引き出す技を紹介する本連載。今回は、春の味覚「新玉ねぎ」です。
文・写真=堀基子
新玉ねぎは「種類」が違う!
年間を通じて店頭に並ぶ玉ねぎですが、新玉ねぎは春だけのお楽しみ。1月から出荷が始まり、3月から5月にかけて最盛期を迎えます。通常の玉ねぎは「黄玉ねぎ」という種類で、収穫後に乾燥させてから出荷されるため日持ちがよく、生食すると特有の辛みを感じます。
一方、新玉ねぎは「白玉ねぎ」という種類で、収穫後すぐに出荷され、水分が多くてみずみずしく、辛みが少なく甘みのある味わいが特徴です。
私は葉付きのまま収穫されたものを直売所などで見かけると必ず購入し、長ねぎのように白い部分を小口切りにしてスープやみそ汁の具などに活用しています。見た目はまるで長ねぎですが、甘さも風味も新玉ねぎと変わらないのが魅力です。
水にさらさず空気にさらして
通常の玉ねぎに比べて辛みが少なく、甘みのある新玉ねぎの美味しさを満喫するなら、生食の際もできるだけ水にさらしたくありません。スライスして水にさらすと辛みは抜けますが、葉酸などのビタミンB群やビタミンCといった水溶性の成分が断面から流出してしまうので、もったいないというのも理由の一つです。
さて、あの玉ねぎ特有の辛みと匂いの正体は、硫化アリルの一種であるアリシンという揮発性の成分。だから切ると断面から揮発した成分が目にしみるのです。
そこでオススメなのが、空気にさらす方法です。
