適度なお酒はコミュニケーションを円滑にする。しかし、杯を重ねるうちにネガティブな側面が顔を出してくる。トラブルを避けるために気を付けるべきことを、依存症を専門とする精神科医、松本俊彦先生に解説してもらった。
気持ちを吐き出す手助けにはなるが…
仕事や家庭で嫌なことがあった日に、気分転換としてお酒を飲む人もいるでしょう。お酒は人間の胸の内に秘めた気持ちを吐き出すことに役立ちます。同僚と飲んでグチを言い合うことで、自分だけがつらいわけじゃない、と気持ちが落ち着くことがあるでしょう。グチを聞いてくれた仲間の存在に救われることもあるはずです。
しかし私は、実際のところお酒自体には、たいした気分転換の効果はないと考えています。
もちろん、最初の一杯だけならリラックス効果はあるでしょう。もう今日は飲んで早く寝てしまいたいという時、適量を守って飲むことは否定しません。
ですが、例えば重要な資格試験に落ちてがっかりしている時にお酒を飲むとしたら、どうでしょう?おそらく、「再び挑戦する勇気が湧いてきました!」とはなりませんよね。つらい気持ちを忘れようとして、一人きりでお酒に頼る習慣は依存症につながるリスクさえあります。ですから、あまりお酒に気分転換の効果を期待しない方がいいと思いますね。
お酒が感情のブレーキを緩める仕組み
よく、お酒を飲むと泣き上戸や笑い上戸になる人がいますよね。これには、人間の脳の仕組みが関係しています。
