5月6日、磐越道で北越高校男子ソフトテニス部の部員が乗るマイクロバスがガードレールに衝突する事故があり、21人が死傷した。死亡したのは北越高校の稲垣尋斗さん(17)で、死因は失血死と判明。稲垣さんは また、バスに乗っていた5人が足の骨を折るなどの重傷を負った。ソフトテニス部は全国大会に出場するような強豪校で、福島県に遠征するためバスで移動していたという。

高校生1人が死亡した
高校生1人が死亡した
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バスには部員20人と運転手の男性1人が乗っていたが、そのナンバープレートは緑ではなく、白の「わ」ナンバー、レンタカーだった。

高校から「レンタカーを」と相談が

このレンタカーとドライバーを手配したのは、新潟県五泉市のバス運行会社・蒲原鉄道だった。蒲原鉄道は6日夜に会見し、レンタカーとドライバーを手配した経緯について説明した。会見には蒲原鉄道の茂野一弘社長と、レンタカーとドライバーを手配した営業担当者が参加した。

蒲原鉄道の会見 5月6日
蒲原鉄道の会見 5月6日

会見冒頭で茂野社長は、「今回の事故で亡くなられた生徒さんがいらっしゃるということで非常に悲しく思いますし、お悔やみ申し上げます。また、あの複数の生徒さんも怪我されたということですので。生徒さんたちの早い回復をお祈りしております」と述べた。

蒲原鉄道によると、北越高校とは以前から部活動の遠征などの際に使用する貸し切りバスの発注などで付き合いがあったという。今回は、男子ソフトテニス部の顧問から同社の営業担当者に対して、「今回は貸し切りバスを使わずに、レンタカーを使って送迎をしたい」との相談があったという。

「お世話になっている」からバス会社がレンタカー手配

蒲原鉄道は貸し切りバスの運行会社であり、レンタカーは取り扱っていないが、「普段からお世話になっている」事を理由に、営業担当者がレンタカーを借りる手続きを行ったという。レンタカー会社への支払いは一旦蒲原鉄道が行い、同額を学校側から受け取ったとしている。

また依頼を受けたのは事故の1カ月ほど前との事だが、遠征日がゴールデンウィーク中の5月6日だったため、すぐにレンタカーを押さえ、その後ドライバーを探したという。そのため、レンタカー会社には蒲原鉄道の営業担当者の運転免許証を提示し、予約会社名義にしたという。

貸し切りバスではなくレンタカーだった理由

学校側が、プロのドライバーが運転する貸し切りバスではなくレンタカーを希望した理由について、営業担当者は「やっぱり予算面だというふうには、僕は理解してました」と説明。会社の業務は貸し切りバスの運行だが、「青ナンバー(貸し切りバス)よりも安い方をと聞いてくるので、お金の問題だなと思っています」と話した。

蒲原鉄道・茂野一弘社長
蒲原鉄道・茂野一弘社長

記者からは、直接北越高校とレンタカー業者が契約しても良かったのではとの指摘が出たが、「それで良いと思いますが、長年のお付き合いの中で、電話一本で済むという話に学校さんはなったのかもわかりません。だから、電話一本して、じゃあ、レンタカーを頼んでよ、というところだったような気がしています。だからレンタカーを頼んだ。それも北越さんの部活の名前で頼んでます」と回答した。

学校側はドライバー紹介も依頼

また学校側からは、大型のマイクロバスであるため普通の自動車免許では運転出来ず、「ドライバーの方も紹介いただけないか」という相談も来ていたという。

そこで営業担当者はドライバーを探したが、当日がゴールデンウィーク真っ最中という事もあり人選は難航。伝手を辿って、契約の2週間ほど後になって、「知り合いの知り合い」を学校側に紹介する事ができたとしている。

ドライバーを紹介する際には、2種免許を取得している事は確認したが、事故歴や持病などについては確認していないという。事故後、ドライバーとは連絡が取れていないとしている。

会社は手数料受け取らず

こうした学校からの依頼は、これまでに数回あったということで、「その都度、できる範囲で営業の担当の方で采配をしていた」としている。

蒲原鉄道に国交省が立ち入り調査に入った 5月7日
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レンタカーの契約やドライバーの紹介について、会社として手数料は受け取っておらず、協力依頼があったので「お手伝いをした」との認識だったということで、「一生懸命営業をさせてもらっている中で出てきた話。お手伝いをしているという形ですので、レンタカーを借りたから手数料いくらとか、人を呼んできたから手数料いくらということでやってることは、ありません」と話した。

レンタカー契約に問題は

記者からは、実際に運転するドライバーではない会社の営業担当者が自分の免許証で契約した事を問題視する質問も出た。

社長は「本来ですと、そのドライバーさんの免許を営業担当者からレンタカー屋さんにしっかりとご提示をして、この人が運転することになったということで契約の再確認をするのが良かったんではないかなとは思います。ドライバーの確保が非常に難しく、バスの確保も早くしないといけないなかで、早めに手続き上はバスを確保して、後からドライバーをまた一生懸命探して、確保したと。確保したとこでのその後の手続きがちょっと疎かになったということだと思います」と説明した。

ドライバーへの支払いは

ドライバーへの金銭的な支払いについて、茂野社長は、「ドライバーさんに確認していませんし、営業担当者も記憶が曖昧ですが、お弁当代なりなんなりは、出すよという話をしているかもしれません」「初めからいくら出すから乗ってくれとか、そういう話はしてないと思います」と説明した。

会社の責任は

事故の責任について茂野社長は、「特にうちで車を借りて事故を起こしたということでは、基本的には考えておりませんでしたので、その辺の責任がどこまであるのかということに関しては、今の段階では申し上げることができません」と話した。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

記者として社会部10年、経済部2年、ソウル支局4年半の経験を持つ編集長を筆頭に、社会部デスク、社会部記者、経済部記者、モスクワ支局長、国際取材部記者、報道番組ディレクター・プロデューサー、バラエティー制作者、元日経新聞記者、元Yahoo!ニュース編集者、元スポーツ紙記者など様々な専門性を持つデスク11人が所属。事件や事故、政治に経済、芸能やスポーツまで、あらゆるニュースを取り扱うプロ集団です。