繰下げ受給のメリット
繰下げはあくまでも待機しているだけなので、受給前なら変更可能であることも魅力です。繰下げ待機中に病気を患うなど急に大金が必要になることもありますが、その場合は過去5年分までさかのぼってまとめて受給できます(受給額はさかのぼった時点で再計算)。
例えば、72歳まで繰下げ待機を行っていた場合を想定します。
72歳時点で過去5年分を請求した場合は、受給開始年齢が67歳とみなされ、67歳時点の年金額(受給率116.8%)×5年分を一括で受け取り、その後が67歳時点の年金額を受け取ることになります。
年金は「申請主義」といって、自分で申請しない限りもらうことができません。
基本的に繰下げ待機をしておき、何もなければ繰下げを続け、もしものときには「年金請求書」に必要事項を記載し一括で受け取るという具合に、自分に都合よく活用することをおすすめします。
年金は長生きリスクに備えた「保険」です。
今回はテーマ的に年金の損得を一緒に考えてきましたが、長生きに備えることを目的にすれば、「年金の繰上げ」という選択にはならないでしょう。
年金の受給時期の判断の難しさを表す名言として、
「繰り上げて後悔するのはこの世、繰り下げて後悔するのはあの世」
があります。
後悔してこの世を去るよりは、長生きしてもお金に困らない状況の方が断然良いと私は思っています。基本的には繰下げをしておくと損がないと言えるのではないでしょうか。
頼藤 太希(よりふじ・たいき)
経済評論家・マネーコンサルタント。(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。ファイナンシャルプランナー三田会代表。
