今回の衆院選では、共闘態勢が崩れた野党候補が3つの選挙区全てで大敗する結果となった。一方、県1区では自民の新人を後押しようと、党派を超えた支援態勢が組まれるなど、県の政界に新たな動きが生まれている。

立憲・公明が結党した中道改革連合。
政権への「新たな対立軸」として衆院選に臨んだが…。

県1区・原田氏と3区・落合氏、中道の候補者2人が自民候補に大敗。
陣営幹部からは、「戸惑いを抱えたままの選挙戦」だったと本音が漏れた。

(落合拓磨後援会・石黒覚会長)
「あまりにも突然の合流。プラスとは言えない状況。“よしやるぞ”という風を吹かせるに至っていない」

敗戦の兆しはもう1つ。
中道の結党をうけ、これまで立憲・国民・連合山形が選挙で協力を続けてきた「2党1団体」の枠組みにも大きなゆがみが生まれた。

(連合山形・渡部貴之会長)
「次期解散総選挙では、2党1団体の枠組みを“いったん棚上げ”する」

こうした中、国民は県3区にも新人・喜多氏を擁立し、中道と真っ向勝負の構図に。
「政権批判票」の受け皿が割れたのはもちろん、一部の県議・市議は3区では「静観」するなど、それぞれの陣営も1枚岩になれなかった。

(立憲民主党県連・佐藤寿副代表)
「7月の参院選で全力で頑張って戦って結果を出した。本当にもったいない。時間のない中で政党が新しくできたり、情勢が変わっていく中で、まとめるのも大変だったのだろうと思う」

2区でも国民・菊池氏が大差をつけられ落選。
それでも、国民民主党県連の舟山会長は「水面下では協力は維持されていた」と語気を強めた。

(国民民主党県連・舟山康江会長)
「連合山形の皆さんにも全面的に応援してもらった。立憲の人からも個別に協力してもらった。影響は最小限だったと思っている」

しかし、関係者からは「共闘態勢の修復は難しい」との声も上がっていて、今後の見通しは不透明。

(立憲民主党県連・高橋啓介代表)
「相手のあることなので、ここで話する問題ではない。棚上げになったということとして理解してほしい」

(国民民主党県連・舟山康江会長)
「2党1団体の構成がどうなっていくのかまだ見えない。何とも言えない」

一方、野党側の混乱を尻目に、県1区の自民・遠藤陣営では新たな協力の形が生まれていた。

(吉村和武県議)
「山形1区から大臣になれる人物を作っていく。それは遠藤寛明氏しかいない」

県1区で10回の当選を重ねた遠藤利明氏の後継・寛明氏を国政に押し上げようと作られたのは、党派を超えた支援態勢。
公示を2日後に控えた1月25日、遠藤氏の事務所を訪れ激励したのは吉村知事だった。

(吉村知事)
「利明先生にお礼を申し上げながら、寛明先生、しっかりと頑張ってください」

吉村知事は、山形新幹線の「米沢トンネル整備」など、利明氏とのこれまでの連携に感謝を述べた上で、寛明氏を支持する姿勢を鮮明にした。

(吉村知事)
「米沢トンネル整備をライフワークとしてしっかり取り組むと言ってくれた。時間をかけてでも実現してほしい。ぜひよろしくお願いしたい」

遠藤陣営で選対本部長など重要ポストに就いたのは、知事選で吉村陣営の中枢を担った顔ぶれ。
これまで選挙の場で何度も戦った相手を招き入れる異例の対応。

当初、公明票の流出を警戒していた遠藤陣営だが、結果は圧勝。
無党派層からの支持拡大に加え、「新たな支援の形」は対立候補から票を奪い取る抜群の効果を発揮したとみられる。

(前衆院議員・遠藤利明氏)
「県政でも長年の課題だった保守の分裂から、ようやく“保守の大同団結”の一歩がスタートした」

吉村知事を初当選の時から支えてきた「勢力」について利明氏は、小選挙区制の導入などもあり分裂したものの「元々は1つの保守勢力」と強調。
選挙期間中も「県政と自民党の大同団結は県内の政治家の責任」と訴え続けた。

(前衆院議員・遠藤利明氏)
「県政とわれわれ保守・自民党が連携しないといけない。市町村・県・国の連携のもとで仕事ができる。県政と連携して進めていかなければいけない。その一つの形がこの選挙でできた」

県政界の枠組みは今回の衆院選で大きく変化したといえる。
これが次の参院選や知事選などの大型選挙にどのような影響を及ぼすのか、注目が集まる。

さくらんぼテレビ
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