母国から逃げ延びてようやくたどり着いた日本でも、なかなか難民として認められず、不安定な生活を送る人たちがいる。

そんな状況を変えたいと、ピープルポート株式会社代表取締役・青山明弘さんは会社を立ち上げた。

「難民申請中の人たちは日本語をしゃべれないので、なかなか職業が安定しなかったり、そもそも見つけられない。中長期的に見て、難民認定がされないこの国で、どうやったら安定的に在留できるのか、そういった道をつくっていく」

逃げられた先でもう一回人生を

難民申請中で働けない人は1日1600円の保護費で暮らさないといけない。

青山さんは会社員時代、アフリカ難民の知人から日本での生活の厳しさを聞いた。

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そこで2017年、就労許可を得た難民申請中の外国人を雇用し、「再生パソコン」を販売する会社を起業した。

企業や個人から不要となったパソコンを無料で回収し、修理してネットで販売したり、分解してリサイクルに出す。

また、パソコン1台につき数百円程度の買い取り相当額を、子供たちの教育支援に取り組むNPO団体に全額寄付し、利用者も社会貢献ができるという仕組みをつくった。

会社は年商1億円にまで成長し、難民申請中の4人を正社員に登用した。

日本人と同じ給料を支払い、職場でも日本語は使わない。青山さんは難民申請の許可を待ち続ける社員たちが精神的に孤立しないよう、休憩中の会話も大切にしている。

アフリカからの難民申請者は「日本で仕事を見つけるのはとても大変です。青山さんは仕事を提供してくれた素晴らしい人です」と感謝の言葉を口にする。

青山さんは「将来的には世界中に『ピープルポート』という会社を広めていって、『逃げられてよかったね』と『命を失わなくてよかったね』と、逃げられた先でもう一回人生を立て直せる、そういった場を世界中につくっていきたい」と語った。

ピープルポート株式会社
https://peopleport.jp/

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