3月14日と15日に実施した今回のFNN世論調査の結果を支持政党別に分析し、有権者が求める国会論戦の姿を探る。
“保守”層でも顕著な下落を見せた内閣支持率
高市内閣の支持率は67.1%だった。2月調査の72%から4.9ポイント下落し、依然として高水準ではあるものの2025年10月の政権発足以来初めて60%台となった。

今回3%以上の支持が集まった政党の支持層別に内閣支持率を2月調査と比較すると、高市内閣を「支持する」と答えた人の割合で10ポイント以上の大きな変動が見られたのは、
日本維新の会支持層:2月=96.7%→3月=82.5%(14.2ポイント減)
参政党支持層 :2月=84.7%→3月=66.5%(18.2ポイント減)
チームみらい支持層:2月=74.1%→3月=48.4%(25.7ポイント減)
であった。
維新は与党であり、参政は安全保障や外国人政策などで高市首相と近い考えを打ち出しているが、その支持層で見られた内閣支持率の顕著な下落が今後も続くのか、注目したい。
自民党の支持率も39.4%から31.8%へと顕著に下落した。
ただ、「支持政党なし」が24.7%から34.5%へと急増した一方で、自民に限らずほとんどの党の政党支持率が下がっており、現時点では自民に何らかの失策があって支持率が減少したというより、“衆院選で盛り上がった熱が冷めた”現象の一環ではないかと思われる。
予算案「審議時間削減」への評価が支持率下落に直結とまでは言えず
新年度予算案について、「審議時間を削っても年度内の予算成立を目指すべきだ」と考える人は全体の48.1%、「予算成立が年度をまたぐとしても審議時間を削るべきでない」と考える人は47.2%で、前者が若干多いものの、意見はほぼ二分した。

「審議時間を削るべきでない」とする声は概ね野党支持層で多数を占めていて、内閣を「支持しない」と答えた人に限ると「審議時間を削るべきでない」は72.9%だったが、内閣を支持すると答えた人でも36.3%が「削るべきでない」と答えている。
支持政党別では自民党支持層の35.1%、維新支持層の31.7%が「削るべきでない」と答えている。
また、政党別支持率で最多を占めた「支持政党はない」と答えた無党派層(34.5%)は、過半数の51.8%が「審議時間を削るべきでない」と答えている。
高市首相の意向を受けて自民党は審議時間確保より年度内成立を優先し、委員長職権を多用し強気の国会運営を続けてきたが、「丁寧な国会審議」を求める有権者の意識が内閣支持率や自民党支持率を下落させた一因となっている可能性は否定できない。
「武器輸出」の制限緩和には丁寧な説明が必要
日本は現在、「防衛装備移転3原則」で武器を輸出する際のルールを定めている。
政府与党は、このルールのうち輸出可能な装備品を救難用や監視用などに限定している「5類型」を撤廃し、護衛艦や戦闘機など殺傷能力を持つ武器も含め全ての装備品の輸出を原則として可能にしたうえで、紛争当事国への移転などは禁止する一定の制限をかけることを検討している。
武器の輸出ルール変更について尋ねた結果、「賛成だ」(16.2%)「どちらかと言えば賛成だ」(22.4%)「反対だ」(29.2%)「どちらかと言えば反対だ」(29.3%)となり、約4割が「賛成」側、約6割が「反対」側となった。

支持政党別に見ると、無党派層を含めその他の政党支持層では「反対」側の方が多かった。
自民・維新のほか参政・日本保守党の支持層では「賛成」側が多数を占めたが、維新(賛成側45.4%/反対側44.6%)と参政(賛成側47.5%/反対側46.6%)の支持層は賛否が拮抗した。
武器輸出の制限緩和の内容が確定していない中、今回の調査では「政府与党は、一定の条件を満たせば殺傷能力のある武器も輸出できるようにルールを変更しようとしている」との伝え方で賛否の意見を尋ねたが、有権者からは回答にあたり「一定の条件の内容に因る」との意見も聞かれた。
新年度予算の成立後、国会では各種法案に関する議論が本格化する。「5類型」撤廃についても、懇切丁寧な説明を行い、国民に十分な理解を得る必要があるとみられる。
