虚偽の学歴を公表した公職選挙法違反の疑いなど、複数の容疑について刑事告発されている伊東市の田久保眞紀 前市長が1月29日、静岡県内の警察署へ出頭し、任意の事情聴取に応じた。
学歴詐称問題に端を発し複数の刑事告発
伊東市の田久保眞紀 前市長は2025年5月に行われた市長選にあたり、実際には東洋大学を除籍されていたにもかかわらず報道機関に対する経歴調査票に同大学法学部卒業と記したほか、当選後に発行された市の広報誌にも同様の経歴を記載した。

また、市議会の百条委員会では「事実を歪曲した虚偽の証言をした」などと結論付けられている。
このため、虚偽の経歴を公表した公職選挙法違反の疑いや百条委員会で嘘の証言をした地方自治法違反の疑いなど複数の容疑で刑事告発され、静岡県警が受理している。
いずれの容疑も犯罪の成立を否認
こうした中、田久保前市長が1月29日、警察からの出頭要請に応じ、任意の事情聴取を受けたことがわかった。
警察署まで同行した田久保前市長の代理人弁護士の話では、田久保前市長はいずれの容疑についても犯罪の成立を否認しているそうだ。
田久保前市長が警察から事情聴取を受けるのは今回が初めてで、「(聴取)初日なので全般的に聞かれたようだが、本人と内容の確認をしていないので詳しいことを話せる状況ではない。捜査段階で始まったばかりで、『一切話すな』と強硬なことは言わないが、まだ供述調書や録取書を作ってもらう段階ではないと思っているので、そういうものにサインするのはまだ難しいと考えている」とした上で、「弁護人の立場としては、やはり『黙秘しろ』『話さなくていい』というアドバイスは正直していた。ただ、全部黙ってシャットアウトして、ひたすら下を向いて耐えるのは現実的ではないので、世間話には応じながらも最終的には捜査段階での調書は作らない方向で考えている。基本的に被疑者段階で、私はほぼすべて、否認事件では完全黙秘を勧めている弁護士なので、話すのであれば直接法廷で言い分を述べるのがあるべき姿であると思っている」との見解を示した。
“疑惑”の卒業証書の提出は?
今後、捜査の鍵を握ると見られるのが卒業証書。
田久保前市長は市議会の議長などに卒業証書とされる資料を見せていた一方、東洋大学側は「卒業していない者に対して発行することはありません」との声明を発表しているからだ。
代理人弁護士は、警察から「卒業証書の任意提出を考えてくれないか?」と言われたことを明かし、「その場では即答せず、『一旦持ち帰って依頼者と私で慎重に検討した上で回答する』と答えた」と述べた。
提出するか否かの判断については、「田久保氏は公人ではなくなり、私人で、被疑者という立場で取り調べを受けているので、いま私が考えるべきことはあくまで被疑者の利益という観点から有利・不利を勘案して決めることになる」としている。
29日の任意聴取の中で田久保前市長はスマートフォンのデータ提出に応じていて、次回の聴取日程は現在のところ決まっていないという。
田久保前市長は2025年10月に二度目の不信任を議決されたことで失職し、その後、12月の市長選に立候補したものの落選した。
(テレビ静岡)
