私たちがほとんど毎日食べているお米。けれど、生活の中に当たり前にあるものだからこそ、実は知らないことも多いもの。おいしい炊き方や上手な保存方法など、知っているようで知らない話を、お米に魅了されて新聞記者から米農家に転身し、現在は「お米ライター」として活躍する柏木智帆さんが綴る。

文・写真=柏木智帆

普段はお粥を食べないけど、1月7日には七草粥を食べるのが毎年の恒例という人は多いのではないでしょうか。この日は「人日(じんじつ)の節句」。多くの地域では無病息災を願って春の七草を入れたお粥が食べられています。

1月7日は過ぎましたが、寒い冬はお粥が特においしい季節。とろりとした熱々のお粥が胃も心も温めてくれます。

お米を変えて味わいの違いを楽しむ

ひとくちにお粥と言っても、白粥だけでもお米や水量を変えるなど、季節や体調、好みに応じて、幅広く楽しむことができます。

シンプルな白粥
シンプルな白粥
この記事の画像(4枚)

白粥のように塩だけのシンプルな味つけのお粥は、しっかりとした旨みがあるお米がおすすめです。「雪若丸」「里山のつぶ」「朝日」など、あっさりとした粘りのお米を使うと、軽やかに食べ進めることができますので、朝食にもぴったり。

お粥ですから粘りが強いお米やもち米でも胃に優しいことは間違いありません。

例えば「ゆうだい21」のような、ごはん粒の表面の「おねば」が厚いお米を使えば、寒い日の朝にうってつけのリッチなお粥に。

おねばとは、炊飯中にお米から溶け出たでんぷんが濃縮してごはんの表面に再付着したもの。この厚いおねばによって生み出されるお粥のとろみは、まるで里芋を茹でて吹きこぼれたときのような濃厚さです。

お粥の種類とお米と水の比率

一般的にお粥は「全粥」「七分粥」「五分粥」「三分粥」があり、それぞれお米に対して水を5倍、7倍、10倍、20倍で炊きます。

個人的な好みは七分粥よりも少し多めの水量。たとえば50グラムのお米ならば400グラムの水で炊いています。全粥に近づくほどもったりとして、三分粥に近づくほどさらりとした仕上がりになります。当然ながら水が多いほど量が増えるので、水量に応じてお米の量を変えないと、作り過ぎてしまうのでご注意を。