地中で育つさつまいもは雨風の影響を受けにくく、あまり水を必要としないため干ばつにも強く、葉や茎まで食用になることから、食糧難に悩む人々の救世主となり、天明の飢饉や天保の飢饉の際にも救荒作物として多くの人命を救いました。さらに、第二次世界大戦による日本の食糧難を支えたのも、さつまいもでした。

救荒作物として多くの人々を救った「沖縄100号」
救荒作物として多くの人々を救った「沖縄100号」

沖縄県農事試験場で育成され、昭和9年(1934)に誕生した「沖縄100号」という品種は、栽培の容易さと多収性から全国へ広まり、戦中戦後の飢えから日本中の人々の命をつなぐ糧となりました。

現在、農林水産省で約100種が品種登録されているさつまいも。ねっとり系は「安納芋」「紅はるか」「シルクスイート」「マロンゴールド」「紅まさり」など。

濃厚な甘みが大人気の「紅はるか」
濃厚な甘みが大人気の「紅はるか」

ホクホク系は「なると金時」「紅あずま」「紅さつま」「高系14号」「パープルスイートロード」「ちゅら恋紅」などがあります。

筆者と特集班作成
筆者と特集班作成

いろいろと食べ比べて、お好みの品種を見つけるのも楽しいと思います。

選び方と栄養は?腸内環境維持にも

選ぶ際は、表面がなめらかで、ひげ根の穴が浅く、傷や黒い斑点がないものを選びます。購入後は、乾燥や低温に弱いので、新聞紙などに包んで涼しい場所で保存します。

さつまいもには、免疫力の維持や体内でのコラーゲンの生成に欠かせないビタミンC、体内の余分なナトリウムを排出して血圧を正常に保つ効果が期待されるカリウム、腸内環境を整えるのに役立つ食物繊維がとりわけ豊富に含まれています。

アントシアニン豊富な紫いもや紅いも。写真は沖縄産「ちゅら恋紅」
アントシアニン豊富な紫いもや紅いも。写真は沖縄産「ちゅら恋紅」

また、紫いもや紅いもの鮮やかな紫色は、すぐれた抗酸化力をもつアントシアニンという色素によるものなので、健康意識の高い方やアンチエイジングを意識する方には特にオススメです。

最後にご紹介する紅いもスイートポテトは、スイートポテトと自然なさつまいもの風味の両方が楽しめる、小麦粉を使わない簡単スイーツです。今回は沖縄産の紅いもを使いましたが、さつまいもでも作れます。小さめのさつまいもが入手できた際に、ぜひお試しくださいね。