愛媛県・中村時広知事に聞く2026年愛媛の観光インバウンド戦略
2026年の愛媛の展望を中村時広知事に聞いた。1月3日午前11時20分からテレビ愛媛で放送する「新春2026知事に聞く 愛媛その先へ」の中から観光インバウンド戦略をピックアップした。
2025年の愛媛へのインバウンドは過去最高の勢い
地域経済の活性化でカギになるのは海外からのインバウンドも含めた観光対策。2025年9月時点で愛媛を訪れた外国人宿泊客数は延べ39万9230人。過去最高だった2024の年45万人を上回り過去最多となる勢いだ。
中村知事:
「数年前にコロナで国際線の航空便が全部ストップし激減した時期がありました。
で、今が逆に投資のチャンスだなとふと思いまして、弱点を克服する事業を行いました。それが国際線を考えた空港のスポットの増設と、国際線ターミナルの整備だったんですよ。完成した2ヶ月後にコロナが5類移行になりました。ドンピシャだったんです。」

韓国からのゴルフ客にターゲット
知事の戦略は、単に海外から人を呼ぶだけでなく、「ターゲットの明確化」にあった。
中村知事:
「現在、ソウル便が週14便、釜山線が週7便、台北線がベース週3便で、季節によって週5便と、順調にダイレクトの便ができましたんで、この影響が最も大きいと思います。ただマーケティングが大事なんで、釜山はゴルフということにスポットを当てた戦略を組み立てまして、愛媛県内のゴルフ場連盟の方とも相談しながら、このお客をまずは最優先に引っ張ってくる。これが思った以上にうまくいったと思ってます。人が来るということは、ここに消費活動が伴いますから、関連する事業者の収益増加に結びついてると思います。」

観光のカギに地域で違った味が楽しめる「鯛めし」を売り込む
愛媛への観光戦略で目指すのは「リピーターが根付く愛媛」だ。
中村知事
「松山市の観光資源だけでは、一度来たら満足して終わってしまう。リピーターにつなげるためには、南予あるいは東予のコンテンツを組み合わせて、さらなる循環につなげるのが、最大のテーマだと思っています。」
この課題解決に県が目を付けたのが「鯛めし」だ。愛媛は養殖マダイの生産が全国の6割を占める日本一。刺身を使った南予の鯛めし、炊き込み風の中予の鯛めし、そこに東予の飲食店が開発した焼いた鯛を使った新しい鯛めしが、2024年にフジテレビ「めざましテレビ」の「ご当地うま撮グランプリ」で日本一に輝いたのだ。

「食べた瞬間これだ!」活き、炊き、焼きで楽しめる鯛めし
中村知事:
「もう食べた瞬間これやと思ったんです。それで社長にこれ使わせてくれと頼んだらオッケーが取れて、できたのが東予風の『焼き鯛めし』なんです。(売り出し方も)寝ながら考えたんです。南予は生きた魚を使うので『活き鯛めし』。中予は炊き込みだから『炊き鯛めし』。で、東予は焼いて食べるタイプなんで、『焼き鯛めし』。活き、炊き、
焼きで、これええな思って。」

柑橘王国の「紅コレクション」で愛媛を売り出す
さらに県では愛媛の柑橘にも期待をかける。
東京の高級店では1個1800円もするという、「紅まどんな」。第2弾のオリジナルとして開発されたのが甘平。この名前をあえて「紅かんぺい」とし、この2つから生まれた子供が去年市場投入した「紅プリンセス」。3つの高級柑橘は収穫の時期が多少ずれていくので、これらを「紅コレクション」として売り出し、柑橘王国愛媛をさらにPRする考えだ。

