球磨村のトップと村議全員が任期途中で異例の退陣。村議会から不信任決議を受けた松谷浩一村長が辞職願を提出し、12月17日に臨時議会で同意された。また、村議会も同日に自主解散を全会一致で可決し、年明けに村長と村議のダブル選挙が開かれる。
不信任受けた松谷村長の辞職に議会同意
球磨村の松谷浩一村長は、村議を務めたあと、2020年3月の村長選で当時の現職を破り初当選、現在2期目。

松谷村長は1期目就任直後に発生した豪雨災害からの復旧復興で村政に取り組む一方、「村の職員は分からんですもんね」などと職員を批判するような発言や、村の『一勝地温泉かわせみ』の指定管理者の賃金未払い問題など、これまで職員や議会との間に軋轢が生じていた。

村議会は12月12日に松谷村長への不信任決議を賛成多数で可決。『辞職』『議会の解散』『自動失職』のいずれかを迫られた松谷村長は、自ら辞めることを決断し、議長へ辞職願を提出していた。

17日に臨時の村議会が開かれ、議会は、松谷村長の辞職に同意。19日付で松谷村長が辞職することが決まった。松谷村長は「村民や職員に不安や不信感、混乱を与えたことは事実。その責任は重大なものがあると考え、辞職を判断した」と述べた。
不信任出した議会も自主解散し選挙へ
一方、村議会は松谷村長の辞職を『大きな決断』と受け止め、「議会も執行部と村政を進められなかった点は深く反省すべき」として、『自主解散』の議案を提出。全会一致で議会の解散を決めた。

球磨村議会の舟戸治生議長は「不信任を提出した時点で、議会のみなさんの心は決まっていた。議会の自主解散を選択したところ」と話し、自主解散の議案を提出した髙澤康成議員は「賛否あると思う。村の方向性として何が一番大事なのか、今回の反省も踏まえて村民から審判を受けることになる」と述べた。

年明けのダブル選挙には、松谷村長はいずれの選挙にも出馬しない意向を示していて、次の村長が決まるまでは上蔀宏副村長が職務代理者を務める。
年明けに村長と町議のダブル選挙へ
今後の流れとして、松谷村長は12月19日で辞職し、翌20日から50日以内に村長選が行われる。また、12月17日に村議会が解散したため、翌18日から40日以内に村議選も行われる。

この結果、球磨村の選挙管理委員会が18日に招集され、村長選と村議選ともに1月20日に告示、1月25日に投開票と、年明けのダブル選挙の日程が決まった。
(テレビ熊本)
