人間はパパッと判断してしまう?

忙しい生活者にとって、あるいは買い物時間を短くしたい来客者にとっては、背中を押すような工夫(オススメや関連販売)が必要になる。

人間には、自分の経験や記憶を基に、深く考えずにパパッと判断してしまう傾向がある―――これは行動経済学で「ヒューマンリスティックス」と呼ばれる決定行動だ。

何かを選ぶときは心に残ったイメージが基準になりやすい(画像:イメージ)
何かを選ぶときは心に残ったイメージが基準になりやすい(画像:イメージ)

テレビやタクシー車内で流れるCMで企業が商品名を連呼したり、手や体を使ったサインで企業名をアピールしたりするのを目にしたことがあるだろう(転職サービス「ビズリーチ」の人さし指を立てるポーズはその代表例だ)。

視聴者の心にイメージが固定され、ほかの選択肢と比較する際に、そのイメージが基準となりやすくなる。

また、何か一点秀でたものがあったり、目立つ特徴があったりすると、それに意識が引きつけられて全体的な判断に影響してしまうこともある。心理学の世界ではこれを「ハロー効果」と呼ぶ。「親の七光り」もハロー効果の一種だ。

「みんなが買っているから、きっとよい商品なのだろう」と、周囲の人に同調したり、あるいは流されてしまう現象は「バンドワゴン効果」という。

ウォルマートの“メディア”事例

「食べる前に飲む」というフレーズを思い出してコンビニエンスストアで胃薬に手が伸びたり、「全米が泣いた」のフレーズで映画を観に行きたくなったり……多くの人が経験しているはずだ。広告やキャッチコピーは、行動経済学や心理学の知見を生かしたものが少なくない。

デジタルサイネージを活用した商品PRも、この流れに沿ったものだ。動画を中心に音声を含めて「五感」に訴え、購買を促すメディア戦略。商品を売るだけでなく、コンテンツを配信してメーカーや卸から広告宣伝費を稼ぐといった新たなビジネスとして力を入れている面もある。