「今日もつい買ってしまった…」と反省した経験は誰にでもあるだろう。

お店でオススメされていたり、売り場を見ているうちに手に取ってしまったり…。そんな“ついで買い”はスーパーマーケットを訪れる8割の客が行っているという。

白鳥和生さんの著書『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる』(朝日新聞出版)から、スーパーの販売戦略について一部抜粋・再編集して紹介する。

客の8割が予定外のものを?

スーパーマーケットで買い物をするとき、つい予定外の商品を手に取ってしまったことが誰にでもあるだろう。この行動は消費者の心理を巧みに活用した販売戦略の結果だ。

ついで買い(関連購入)や衝動買いの背景には、ある事実が存在する。スーパーマーケットを訪れる8割の顧客が来店前に予定していなかった商品を購入しているということだ(流通経済研究所)。

スーパーにとっては「売り場を回りながらメニューを決める客」がカギ(画像:イメージ)
スーパーにとっては「売り場を回りながらメニューを決める客」がカギ(画像:イメージ)
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その日に食べるメニューを決めずに来店し、売り場を回りながら決めている客も多い。実はこの「非計画購買」が、スーパーマーケットの売上の大部分を占めている。

トライアルホールディングスは、決済機能つきのスマートショッピングカートを使い、顧客が特定商品をスキャンすると、同様の特徴を持つ商品が売り場の場所や価格と一緒に表示されるという実験に取り組んだ。

2022年にスーパーセンタートライアル・アイランドシティ店(福岡市)で取り組んだ実験が面白い。「スパイシー」や「濃厚」といった特徴を持つ、辛口で味の濃いスナック菓子をスキャンすると、ショッピングカートの液晶画面に日清食品の袋麺「爆裂辛麺 韓国風 極太大盛激辛焼そば」がレコメンドされた。

また、香りにこだわったペットボトルのアイスコーヒーを選ぶと、今度はメルシャンの「甘熟ぶどうのおいしいワイン赤」が出てきた。コーヒーとワインという、メーカーもジャンルも異なり、一見関連なさそうな2つの商品が、「豊かな香り」という共通の特徴により結びつけられた。