県警察で懲戒処分を受けた職員の情報公表基準について、岩瀬聡県警本部長が「より積極的な判断を検討したい」との考えを示した。この発言は、県議会12月議会の一般質問で行われたもので、塩田知事や県議らから処分公表の在り方について疑問の声が上がるなか出されたものである。
2025年の懲戒処分者数、すでに昨年を上回る
2025年に入ってからこれまでに、県警職員の懲戒処分者数は6人に達しており、すでに2024年の処分者数を超えている状況だ。不祥事が相次ぐ県警に対し、処分公表の基準についての見直しを求める声が高まっている。
問題となったのは、服を着た人の背後や尻などをスマートフォンで無断撮影していた巡査部長の事案だ。この巡査部長は減給1カ月の懲戒処分を受けたが、県警は当初この事案を「非公表」としていた。
非公表の根拠に疑問の声
県警は非公表とした理由について「警察庁の懲戒処分の発表指針を参考にした」と説明しているが、この対応に疑問を呈する声が県議会で相次いだ。
12月議会の代表質問では、塩田知事も「処分のあり方、公表については『私的なことだから公表しない』では必ずしもないと思う。その辺の対応について適切かどうか検証する必要がある」と述べ、現在の公表基準の見直しを促した。
本部長「より積極的な判断を検討」
こうした状況の中、12月4日の一般質問で公明党の森昭男議員は、知事の発言を受けて「対応が適切か検討する必要があるとの発言について、何らかの検討が必要と考えるか」と岩瀬本部長に質問した。
この質問に対し、岩瀬本部長は「今後は処分の発表にあたっては、警察庁の通達による指針は参考にしつつも、県警察の置かれている状況や事案ごとの個別の事情を踏まえ、より積極的な判断を行うことを検討したい」と答弁。従来の方針から一歩踏み込んだ発言をした。
本部長、報道陣の取材には応じず
岩瀬本部長の「より積極的な判断」という表現の真意を確認しようと、報道陣が取材を申し込んだが、本部長はこれに応じなかった。今後、県警がどのように不祥事の公表基準を見直していくのか、その動向が注目される。
県警の不祥事公表基準の見直しは、警察組織の透明性と説明責任を高める重要な取り組みとなる可能性がある。県民の信頼回復のためにも、具体的な改善策が求められている。
(動画で見る▶カメラでの盗撮で非公表扱い 県警本部長が公表基準の“見直し”検討を表明)
