2026年2月8日投開票の衆議院議員選挙。選挙戦も終盤に入り、激しさを増す注目選挙区の情勢を追った。
福岡市東区の一部と博多区からなる九州の経済と文化の中心『福岡1区』。

選挙戦も中盤を折り返し、終盤に差し掛かる中、6選を目指す自民の前職が優位な戦いを進め、中道・前職(比例九州ブロック)が追いかける展開。参政・維新・共産の3候補は、それぞれの組織や支持者固めに懸命だ。※福岡1区の立候補者は、以下のとおり。

【福岡1区立候補者】(届け出順)
自民・前職 井上貴博(63)
共産・新人 岩本義孝(57)
維新・元職 山本剛正(54)
中道・前職 丸尾圭祐(43)
参政・新人 吉富景子(37)
“高市人気”追い風に支持広がり
福岡市・天神の警固公園を埋め尽くした大勢の人々。

聴衆の目的は、自民党・前職の井上貴博氏の応援に駆け付けた高市総理だ。
「地域の税収も増え、質の高い医療も受けられる、福祉も受けられる」。高市総理の一言一言に大きな拍手が沸き、会場は熱気に包まれる。

小泉純一郎総理の“郵政解散”を思い起こすような熱狂。高い支持率の高市総理の『首相補佐官』として6期目を目指す井上氏の演説には、強い自信が滲んでいた。

「高市総理なのか、それとも違う野党の代表なのか、二者選択であります。我々に1票ずつ、1票ずつ、高市早苗と書ける力をお渡し頂けませんでしょうか」。

今回は、公明党からの推薦が得られない中、高市総理と自身を並べたチラシを作るなど、“高市カラー”を全面に押し出し、自民支持層である企業・団体をはじめ、若い世代など広く無党派層にも支持拡大を訴えている。

『中道』公明の組織力で浸透図る
中道改革連合の前職・丸尾圭祐氏。

前回は比例からの繰り上げ当選だったが、今回は、小選挙区からの当選に意気込みをみせる。街頭演説を大幅に増やし、“公明票”に加えて新党名をアピールし、無党派層への浸透を図っている。

「内閣不信任どころか、政権交代させないと私達の生活は、無茶苦茶になってしまいます」。

丸尾氏を支えるのは、高校の同級生でもある妻の紗彩さん。

「高校1年の時から言っていました。『政治の世界に行きたい』って。国政で働くべき人だなっていうのは、友人の時から思っていました」と夫の国政での活躍を願っている。

立憲と公明が手を組んだ新党『中道改革連合』が発足して1カ月足らず。これまで自民党候補者を支えてきた2万票とも言われる“公明票”を、いかに短期決戦で取り込むかがカギだが、丸尾氏は、公明党の選挙協力に心強さを感じつつも、高市人気の“風”の強さに危機感を感じている。

「公明党さんからの支援を頂けると仮定した場合であっても、高市さんの無党派層の人気、そういったことを考えると非常に厳しい戦いであるということは変わらない」。

丸尾氏は、『生活者ファースト』の政策を浸透させ、勝ち切りたいと意気込んでいる。
前年の参院選で旋風 参政党
参政党の新人・吉富景子氏。

前年の参院選で旋風を巻き起こした神谷宗幣代表も福岡入りし、吉富さんはもとより、政党への支持を呼び掛けた。

「ここだと思って人もお金も全部突っ込んで、人生を掛けて戦っているんだ。日本人の中間層、普通に真面目にコツコツ現場で働いている人達が、安心して暮らせる国に戻すためです」。

吉富さんは、眼科医としての経験から医療政策に力を入れたいと訴える。「私が国会議員になったら、過剰な医療にメスを入れて、医療費削減して、その分、消費税も下げる」。
自民党のアクセル役に 維新の会
一方、自民党と同じ“与党”の立場から独自の改革を訴えるのは、日本維新の会の元職・山本剛正氏。

与党として高市総理を後押しし、社会保険料の引き下げなど、改革を進めたいと訴える。

「自民党の中には、この責任ある積極財政に消極的な方々もいます。我々は、自民党さんが改革をしてくれるんだったら、そのアクセルをどんどん踏んでいこう。

しかしながら、後ろ向きの政治、古い政治に、足の引っ張り合いの政治に戻るのであれば、やはり我々は、ブレーキ役にもならなきゃいけない」。
無責任な政治を絶対許さない 共産党
共産党の新人、岩本義孝氏は、中小企業への支援と賃上げを同時に進めたいと訴える。

「高市首相による大義なき党利党略の解散、私は、こんな無責任な政治、絶対に許したくない。許すわけにはいかない」

今すぐにでも最低賃金は1700円に上げていく。そのために地場産業・中小企業を応援する」。岩本陣営は、共産の支持層を固めつつあるが、まだ、広がりに欠けている状況だ。

自民と維新の与党対決に、公明票の取り込みで躍進を狙う新党、中道。そして、参政と共産が斬りこむという政治構図が凝縮された福岡1区。

有権者は誰に、どの党に日本の舵取りを託すのか。投票は2月8日。即日開票され、新たな政治の枠組みが判明する見通しだ。
(テレビ西日本)
